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11/21

AM08:29 女


脚を伸ばせば、

届きそうな距離に、

普通に異性がいる。


先ほどの

恥ずかしさも相まって、

胸の辺りの鼓動が止まらない。


こういう状況は、

いつ以来だろうか。


思い出しても、

ボンヤリとしか、

記憶が働かない。


周りの友人や

知り合いが結婚や

出産を経験していく中。


自分にはそういう、

当たり前と言われることが、

今の私の人生には関わりがない。


焦りを覚えて、

出会いに執着していた時期も

あるにはあったが…。


最近では焦りや

寂しさを通りこして、

不安に苛まれるようになった。


自分の要求が

ただ高いだけなのか、

積極性が低いのが問題なのか。


正直何が悪いのか、

今の私には分からない。


実家に帰れば、

結婚することが、

さも当然のように諭される。


言われなければないで、

腫物に触るなの様な空気感。


まるで存在意義を

否定されているような

気がしてならない。


こうした理由から、

実家にも随分顔を出していない。


言い訳するにも、

理由が見つからないのだ。


ただただ、

普通に恋がしたいだけなのに。


そんな私の気持ちも

一切察しない待合室の暖房は。


ガンガン音を立てて、

空気を暖め続けている。


なぜか頭が

急にぼーっとなり、

無性に喉が渇いてきた。


鞄からペットボトルを取り出し、

喉の渇きを潤すため、

キャップを開けようとした瞬間。


………あっ。


私の手元が狂った。

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