第45話 不本意な冬休み
学園は冬休みに入ったので、帰省の準備をしている。お父様達は胃が痛い言って、私が冬休みに入る前にそそくさと高速馬車で帰ってしまった。そして、私専用の馬車は、国王陛下に献上しており、ルード家の王都の屋敷には、昔ながらの馬車しかない。これでは片道7日もかかってしまうので、不本意ながら、片道4日の馬車鉄道で帰ることになった。
しかし、帰省前に、王都駐在の自衛隊員から「至急の連絡があるのでハータン商会に来たください」と言うことで、ハータン商会に行くとモールス信号の横にマイクとスピーカーがある
「まさか?」
するとスピーカーから雑音混じりに
「テステス、マイクテスト」
そんな声がしてきた。
「まさか、声による電信か」
「はい!!その通りです。ハーマイン様」
「素晴らしいではないか」
すると実は、蒸気機関車が完成したと連絡を受け、私が帰省したら試乗試験をするというではないか。もう、ワクワクが止まらない、いっそのこと、飛んで帰りたいくらいだ。
しかし、今は帰省のシーズン、誰かに見られたらまずいので、結局、わたしは、馬車鉄道で帰ることになった。
片道4日の旅
「まあ、これも風情があっていいわ」
あまり見ていない窓の風景を見ながらの旅、これをなかなか一興だった。
しかし、しかしだ。なんでこうなった?
私は、駅員に呼び止められ、特別室へ導かれた。そこで
「「ハーマイン!!」」
終着駅のルードで出迎えてくれたのは、国王陛下とシャルロット様、イザベラ様だった。
☆☆☆
「これはこれは、陛下にシャルロット様、そして、イザベラ様、このような片田舎で来ていただき、誠にありがとうございます」
すると国王陛下は、私を指さした。
「そんな堅苦しい挨拶はいらん。それより、待ちわびたぞ!!ハーマイン!」
(これって、ひょっとして、また?私をご所望することをあきらめていない?)
すると、国王陛下は、ブイサインを出した。
「2日も!!2日も待たせるとはどういう要件だ!!」
するとシャルロット様とイザベラ様も
「そうですは、2日も待たされましたわ」
「本当に、ハーマインたら、じらすのがお好きなようで」
「あ…あの…私は、高速馬車がなくてですね。馬車鉄道で帰ってきたので」
「何を言っておるのだ。ハーマイン、貴様なら空を飛べばいいじゃないか、4時間で来れるそうだな」
「え?」
(陛下?なんでそれを知っているの)
私は背中は冷や汗でびっしょりとなっていた。
「そうですわ。せっかく私達が来ているのに、どういうことですの?」
「え-と」
(あなたたちが、来ることすら知らなかったのに、なんて理不尽な)
「シャルロット様のおっしゃる通りですは、この2日間、温泉にはいっても、食事をとっても、ハーマイン、あなたがいないので、あまり面白くなかったですわ」
(しっかり、温泉三昧で頼んでいたでしょ。イザベラ様も)
そう思っても、決して、口に出せない。出したら反逆罪になるかも。と思っていると、国王陛下の次の一言で、頭から一気に血の気が引いた。
「それより蒸気機関車のお披露目があるそうだな」
(なぜ?それを知っている。ありえない。あれは、自衛隊及び陸軍工廠での極秘計画のはず、秘匿呼称『R-1』正式名称『ルード 1号』、それがなぜばれた)
「国王陛下、どうしてそれを」
すると三人はお互いの目を合わせて、無言で私を部屋から連れ出した。そして、ルードのターミナル駅に掲げられた、横断幕を指さした。
「あ…ああ…」
(なんてことを…)
私は絶句した。そこには、祝、蒸気機関車『ルード 1号』とデカデカと書かれた横断幕があったのだった。
「ハーマイン!!お披露目は明日だそうだな」
「は...はい」
「蒸気機関車とはどんなものなのだ」
「馬の代わりに客車や貨車を引っ張る。魔道具の一種です」
なぜこうなった?
こうして、私は、3人と一度別れ、自衛隊と連絡を取った。すると
「ハーマイン様が、素晴らしい。大々的にお披露目をせねばとおっしゃったではないですか」
(はい..確かに言いました。あの時は蒸気機関車の歓声に思わずはしゃぎすぎていて、まさか、ターミナル駅にまで、横断幕を掲げるとは思ってもみなかったけど)
そして、明日の一番列車として、ターミナルと温泉口間をお披露目走行をすることになっていた。もちろん、陛下たちも乗車するそうだ。
(一体なんなんだろう?)
「ハーマイン頑張れ!」「この勘違い(オチ)はひどい(褒め言葉)」など、少しでもクスッとしていただけましたら、
リアクション
ページ下部の【ポイント評価(★★★★★)】
【ブックマーク】
で応援していただけると大変励みになります!




