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規格外の『*.*SSS(アスタリスクエス)』なのに平民以下扱い!? TS転生した貧乏令嬢、領地改革で気づけば溺愛されていました  作者: ろんどんべると


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第26話 実習当日



実習当日——なぜこうなった?



これだと、私がクラスの女子たちに恨まれるじゃないの!

なぜかエドヴァルト第一王子とギルフォードが私を守るように配置につき、そこにシャルロット様とイザベラ様までいらっしゃるものだから、他の男子たちまで私たちの周りに群がってきている。


「シャルロット様! 僕の剣技をご覧になりましたか!?」


「イザベラ様! このボーンラビットの角、受け取ってください!」


あちこちで男子生徒たちが鼻息を荒くして、シャルロット様やイザベラ様に群がっている。だが当の二人は完璧な社交スマイルを貼り付けつつ、冷ややかな声でバッサリと切り捨てていた。


「あら、素晴らしいことですわね(チラッ)」


「ええ、とてもお強いですのね(チラッ)」


二人の視線は一秒と置かず、近くでスライムと対峙している『ふり』をしている私の元へと向けられていた。正確には、剣の先でスライムをツンツンと突いているだけの私の元へ。


男たちの猛アピールを右から左へ受け流し、隙あらば私の隣へ滑り込んでこようとするお二人。それに併せてなぜかギルフォードが、さらにギルフォードに合わせるようにエドヴァルト王子まで動きを揃えてくる。


(頼むから私を巻き込まないで……! 私は壁の花として静かにスライムを突いていたいだけなの……!)


他の公爵令嬢方も苛立っていらっしゃる。


まずい。


私はその集団からなんとか離れようと試みた。すると離れた場所でフェリクス第二王子が戦っている姿が見えたのだが——そこへなぜか、ガイウルフの群れが流れ込んできたのだ。


「あぶないっ!」


その群れは、なぜかフェリクス王子を素通りして私へと襲いかかってきた。


(まずい!! どうしたらいい!? 倒すのは簡単だけれど力は隠していたい……そうだ! 身体強化をかけて噛まれても『運良く無傷だった』ということにしよう!)


そう思い、自分に身体強化魔法をかけた刹那——。


バァァァァァンッ!!


私の体が凄まじい光を放った。

そしてその光を浴びたガイウルフの群れは、一瞬にして消滅したのだった。


「え?」


「え?」


「消えましたわね……」


「消えたわね……」


「ひょっとして……あれはフェリクス殿下の魔法なのでは?」


「そうよ! 絶対にそうだわ!」


驚いたのは私だけではない。目の前には、コロンと魔石のみが転がっていた。

……やってしまった。身体強化をしすぎた。昔、身体強化魔法の訓練でレッドドラゴンと対峙した時にも同じことをやったのを忘れていた。今回もたまたま近くに人がいなかったから良かったものの、これをどう説明したらいいの!?


☆☆☆


ごく一部の怪奇現象(?)を除いて、実習は無事に終わった。

しかし私は、「スタンドプレーをした」として教官からこっぴどく怒られる羽目になった。


「ハーマイン!! なぜ一人で行動をした!? たまたまフェリクス殿下が助けてくださったから良かったものの、あのままだと死んでいたんだぞ!?」


「すみません……」


(助かった……! 全部フェリクス殿下のおかげということになったわ!)


しかし、その手柄を立てたはずのフェリクス殿下は、なぜか顔面蒼白になって震えていた。

彼は何が起きたのか分からないのに自分の手柄にされ、当事者の私ですら何が起きたのか分かっていないのだから、恐怖で青ざめるのも無理はない。


その後、シャルロット様とイザベラ様、さらにエリスから「どうやって倒したの!?」と激しい質問責めを受けたのは言うまでもない。


ただ、エリスが「もしかして聖魔法では……?」と助け船(?)を出してくれた。聖魔法は普通の魔道具では測定できず、教会にある大掛かりな測定器でしか調べられないため、うやむやに誤魔化すことができたのだった。


☆☆☆


そして翌日のお茶会は、私にとって地獄そのものだった。

前にも話したことがあると思うが、この国の貴族には『寄親・寄子制度』があり、子供もその派閥に従って動かなければならない。よって私は、本来ならイザベラ様の派閥の末席でおとなしく指示を待っていなければならないのだ。


イザベラ様がエドヴァルト王子やフェリクス王子をお呼びし、親交を深めるのがこのお茶会の本来の目的のはず……なのに。


なぜこうなったの!?


「「ハーマイン♡」」


一番最後に座らなければならないはずの男爵令嬢の私を見つけたお二人(シャルロット様&イザベラ様)にガッシリと両脇を固められ、私は上座——本来なら王子殿下方が座るべき最優遇席に座らされていた。


なぜだ……なぜなんだ……!?


そんな光景、当然ほかのご令嬢方が面白いはずがない。

……と思いきや、両王子を狙うご令嬢方やシャルロット様を狙う男子生徒たちはブチキレ気味だったものの、その他大勢の生徒たちはなぜか和気あいあいとした様子で見守っている。


そういえば、シャルロット様狙いだったはずのギルフォードは、私に軽く挨拶した程度で静観している。一体裏で何が起きているの……?


こうして、シャルロット様とイザベラ様の手によってガッチリガードされた私は、本来の目的である「お婿さん探し」すら一切許されないまま、地獄のお茶会を過ごすのだった。

「ハーマイン頑張れ!」「この勘違い(オチ)はひどい(褒め言葉)」など、少しでもクスッとしていただけましたら、リアクション、ページ下部の【ポイント評価(★★★★★)】や【ブックマーク】で応援していただけると大変励みになります!

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