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規格外の『*.*SSS(アスタリスクエス)』なのに平民以下扱い!? TS転生した貧乏令嬢、領地改革で気づけば溺愛されていました  作者: ろんどんべると


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第23話 千の剣と私

「ハーマイン頑張れ!」「この勘違い(オチ)はひどい(褒め言葉)」など、少しでもクスッとしていただけましたら、リアクション、ページ下部の【ポイント評価(★★★★★)】や【ブックマーク】で応援していただけると大変励みになります!


ドカァァン! ガガガガンッ!!


演習場の石畳が激しく砕け散る。

私はただひたすら、なりふり構わず逃げ惑っていた。


(な、なんでだ!? なんでこんなことになってるのよぉぉぉっ!?)


ヒラリ、ヒラリと、紙一重でエリスの猛攻を回避していく。

……いや、正しくは「必死にギリギリで避けているフリ」をしているだけだ。


本気を出せば簡単に流せるのだが、下手に凄腕っぽさを見せると余計にバトルが長引いてしまう!

しかし、エリスは感心したように目を輝かせた。


「これを……この距離で全部避けるの!? ふふっ、まだ余裕がありそうね、ハーマイン!」


「ぐ、偶然です! たまたま体が勝手に動いただけですってばぁ!」


「そんなはずないでしょう! 私の連撃を『たまたま』で避けられる人間がいてたまるか!」


「はいっ! その通りです!!違う。たまたまですって(涙)」


ふと観客席を見上げると、いつの間にかギルド中の冒険者たちが集まってきており、大歓声を上げて盛り上がっていた。


「いけぇぇぇ! エリス様ぁぁぁ!」


「負けるなよ、小さきAAAランクの嬢ちゃん!!」


「すげぇ……目にも留まらぬ頂上決戦だ……!!」


(気楽に観戦してんじゃないわよ、この脳筋ども!!)


私が心の中で絶叫していると、エリスがスッと間合いを取り、両手で剣を高く掲げた。

全身から溢れ出る、桁違いの密度の魔力。


「……仕方ないわね。本気で行くわよ、ハーマイン!」


「えっ……待っ……」


「秘技——『千の剣(せんのつるぎ)』!!!!」


無数の剣気があたかも千本の刃となって、嵐のように私へ襲いかかってくる!


(うわぁぁぁぁっ!? マジで倒しにかかってきてるじゃないの!!)


一瞬、反射的に「反撃して叩き伏せるか?」という考えが頭をよぎる。

……だが、ここでギルド最高峰の『千の剣』を倒してしまったらどうなる?

間違いなく明日から学園でもギルドでも大注目され、私の夢である「平穏なぐうたら生活」は永遠に露と消える!!


(倒したら絶対にヤバい……! でも、この技をどうにかしないと……あっ!?)


閃いた。


私は迫り来る剣気の嵐と、その中心にいるエリスに向かって一直線に踏み込んだ。

そして——絶妙なタイミングで、彼女の胸元へと飛び込んだのだ!

ギュッ!!


「——えっ!?」


完璧に技を繰り出そうとしていたエリスの身体が、ピタリと止まった。

私が勢いよく彼女の腰に抱きついたからだ。


「う、嘘……!? な、なに……っ!?」


至近距離で抱きつかれ、完全に思考停止に陥るエリス。頬が一瞬で真っ赤に染まっていく。

私はエリスの腰にしっかりとしがみついたまま、ハァハァと息を吐きながら観客席とエリスに向かって宣言した。


「参りました! わたしの負けでいいです!!」


「「「…………えぇぇぇぇぇっ!?」」」


演習場全体に、この日一番の困惑と衝撃の声援(?)が響き渡ったのだった。

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