犬と巨人とお客と夜
人妖町の学校は夜から始まる、妖怪の子供達は夜に学校へと向かう。
人間の子供達は別で朝に学校に行く。
コウジが万屋【閻魔】に帰ってきてから割とすぐの出来事。
「あっ、リトオじゃん!」
「えっ、リトオさんいるの?なんでー?」
という風に俺は子供たちに囲まれた、俺とソータはコウジに仕事を押し付けて【閻魔】の外にあるベンチに座って温かいコーヒーを飲んでいたところ通学途中の妖怪や半妖の子供達と遭遇したのである。
「気をつけて行っておいで、学校終わってここに来たらお菓子あげるからね」
「やったぜ!さすがリトオ!」
「いいの?リトオさん」
「いいんだよ、わかったら、遅刻しないように登校しようね」
「はーい」
そんな会話が終わると子供達は楽しそうにランドセルを背負って走っていく。
「いやぁ、リトオは子供思いだねぇ」
「そう?ていうかそろそろ…あ、来たよ」
すると遠くからゆっくりと妖怪や人間の老人たちがやって来た。
「子供達なら元気に学校に行ったよ〜」
「おぉ、そうか、まぁ子供達を見送るのは建前でな」
「はいはい、全てを守り癒すもの」
「おぉ、いつもすまんねぇ、最近腰痛だけじゃなくて膝も痛みが酷かったんだけどもう大丈夫だね」
「次は儂ね」
「はいは〜い」
「僕にはソータの方が優しく見えるよ」
「何か言った?リトオ」
「何でもないよ〜」
とりあえず俺は店内に入り店内のお菓子をトウカのいるカウンターで買い込む
「おいおい、またか?リトオ」
「うん、あの子たちは勉強頑張ってるからね」
「それは知ってるけどさ、お前とソータは優しいよな」
「そう?ミアちゃんの誕生日プレゼント買うために昨日休んだ人の言葉とは思えないけど」
「そんなわけないからな……本当だぞ?」
「はいはい、しっかり責任取りなよ〜」
「それはお前もだろ?あの子供たちの中にいる何人かはお前に恋してるぜ」
「何言ってるのさ、コウジ、そんなことは万に一つもないよ」
と掃除中のコウジとトウカに言うと外へ出る。
「…何してんの?ソータ」
「ん〜マッサージ」
「店の前でやらないでよ、しっかりマット敷いちゃって」
俺の目のなかに入り込んだのはソータが店の前でマットを敷いて老人たち一人ひとりにマッサージしている様子だった。
「まぁ、いいでしょ?こんなこと滅多にないんだし」
「まぁ、いいか、店長も許してくれるだろうし」
そして数時間が過ぎると妖怪の子供達がやって来た
「よぉ!リトオ、お菓子くれよ!」
「はいはい、全員並んでね」
と言い1つずつ一人ひとりにお菓子を渡していく、みんな嬉しそうに受け取ってくれていた。
そんな中
「あのね、リトオくん」
「何かな?」
「これ…受け取ってくれる?」
と言いそのろくろ首の女の子は俺に小さなミサンガを渡してくれた。
「これは?」
「えっとね…今日の図工の授業で作ったんだ、ちょっと不格好だけど、つけてくれるとうれしいな」
「あっ、抜け駆けだ〜ずる〜い」
「えへへ、ずるくないよ、早い者勝ちだもの」
「他の子もミサンガくれるの?」
「うん、私の他にも沢山、リトオくんとソータくんとトウカくんとコウジくんにも、みんなずっと元気でいてねって思いながら作ったんだ」
「うん、あとでトウカとコウジに渡しとくね、ソータには直接渡してあげて」
「はーい」
そしてその日から4人はどこかにミサンガをつけるようになった。




