赤と海と筋肉と少女(赤と筋肉編)
人妖町の形は大きな円のような形をしている
大きな桜、そこを中心として
その近くを円形状に墓地が埋め尽くし
そこからこれまた円形状に住宅地や商店街などが
更にそこから離れると北には山々が
東には下水道などの今は使われていない排水処理施設
南には神社などの農村部に似た地域
西には荒廃したビル群が円形状に並んでいる
といういかにも歪な形をしている
なぜこうなっているのかは誰にもわからない。
万屋【閻魔】が開店する前のこと
「なんだ?コレ」
と俺はレンタルコーナーに返却された本やDVDを戻している最中にとある本が目に入った、やけにボロボロで何かしらの神秘的な雰囲気を纏ったまるで魔法の本のような本を見つけた、トウカにきいてもわからないようだったので本気でよくわからないものに変わった。
本を返そうとしたら
『…ヲ…け』
「あ?」
何か聞こえた気がしたが、とりあえずはここの清掃をしなきゃな。
と掃除を終えると、やはりどうしても気になるあの本の元へ行くと。
『……ヒラケ…』
やっぱり声が聞こえた。
「開けば、いいのか?」
『ヒラケ…ヲ…ヒラケ……ワタシヲヒラケ』
明らかに普通じゃない、なんだコレは。
面白そうだ、何が起きても俺なら対処できる、という思いとともに開こうとした手はその本を開くはなかった。
両手を塞がれたからだ。
「それを開くのは辞めておけ、コウジ」
俺の両手を片手で掴みもう片方の手で本を取り上げた人間は服の上からでもわかるはち切れそうな筋肉を持った大男、カトレだった。
「なんでだよ、またあの秘密か?」
「そうだ、あいつが言ってないのなら俺からは何も言えない」
「店長と仲いいんだもんな、カトレは」
「さて、この本はこうしておこう」
と言うとカトレは本に鍵をかけた
『カ……キ……
するとさっきから頭のなかに響いていた声が綺麗に消えた。
「はぁ、まさかお前があんなちゃちなものに引っかかりかけるとは思わなかったよ、これは鍛え直しかな」
「げぇっ!」
「げぇっ!とはなんだ、げぇっ!とは」
とカトレの声が聞こえると同時にカトレの拳が俺のみぞおちにめり込んだことに気づくとあまりの痛みに気絶した、次に目が覚めると俺はカトレに抱えられた状態でトウカのいるカウンターに居た、視線でトウカに助けてくれと伝えようとしてもトウカは分からなかったのか知らないがウインクしてきやがった、絶対に許さねぇ。
そのまま俺は運ばれてカトレの運営するジムに放り込まれ、数時間ハードトレーニングを受けた。
体が悲鳴をあげるなか、なんとか体を叱咤して動かし万屋【閻魔】に帰ってこれた。
気づけばとっぷりと日が沈み、すっかり夜になっていた。
すると予知してたのかというくらいのスピードでソータが近づき俺に触れたと思ったらソータは
「全てを守り癒すもの」
呟くと俺の身体はみるみるうちに回復していき痛みを少しすら感じないほどに回復した。
「ありがとよ、ソータ」
「どーいたしまして、じゃあぼくのかわりに掃除とかしといてね」
「わかったよ、体治してくれた礼だ、なんでもしてやるさ」
「じゃあ、今日のお前の仕事をしてやった俺の夜の分の仕事もな」
「なら俺のも」
とソータとトウカとリトオが受け持つ予定だったその日の夜の仕事は俺が片付けた。




