旧・白澤の研究所にて
遅くなってすみません、体調不良によりまた期間が空くかもしれません。
今日はもう一つ上げたいと思います
カツン、コツン、と規則正しい音を鳴り響かせて店長は白澤の研究所を歩く。
すぐそばの扉を開ける。
中はもぬけの殻だった、研究資料も研究道具も何一つ残ってはいない。
「これで、16部屋目だよ?」
今のところの収穫はゼロ、何か一つでも手がかりを得なければ。
そう思い次の部屋の扉を開けようとすると
「ん?鍵がかかってる、不思議だね」
今までの扉すべてに鍵はかかっていなかったため、ここだけ鍵がかかっているのは不自然だ。
罠なのかそれともただ白澤が忘れていただけか、それはわからずとも
「チャンスだね」
と言い腰の剣を抜き扉を切り裂いて、中に入り込む。
「…ビンゴ、かな」
中は資料やレポートが大量に並べられていた。
「これらは量の関係で持っていけなかったのか、それとも見られても構わないから?」
適当に資料を取ってそばにあるオフィスチェアに座り読み始める。
「何枚か読んだら全部持ち帰るか」
と誰にでもなく呟くと読み始めた
[No.0011【ワタリビト】]
現存する人妖桜3本のうちの一つが何かしらの形で人生の行き止まりにたどり着いた人間をこちらの世界へ呼ぶ、その際に未知のエネルギーを吸収するのか通常の人間とは身体の形状が違い年老いて死ぬことがなくなっている。
No.0008【核】やNo.0003【魔血】との高い親和性を発揮している。
これからもこの研究は継続する。
[No.0003【魔血】]
妖怪や都市伝説などの怪異の血
これらは朽ちることなく保存が可能となっている
人体へ注入されると起こることをまとめてある
心身の崩壊 80%
発火 15%
適合 1%
その他 4%
いずれにせよ適合しなければ死ぬことに変わりはないようだ。
適合した個体はその魔血のもとになっている怪異の能力を操れるようになった、コレを[No.0005【人造混血】]と名付ける。
これからもこの研究は継続する。
[No.0918【命石】]
[No.0906【人造混血(鬼)】]にて利用されたワタリビトが死亡した際に発生した石。
形は多種多様であり、規則性は見受けられない。
色は若い時期にワタリビトとしてこちらへ来た者たちの命石の色は濃く明るいが年老いてこちらへ来たワタリビトの命石の色は薄く濁っている。
通常終わるはずのないワタリビトの命が散る際に余剰分のエネルギーが纏って生まれたものという仮説が立てられる。
これらに活用の余地があるかの調査が急務である。
これからもこの研究は継続する。
[事件レポートNo.2【ワタリビト解放事件】]
研究所内におけるワタリビト達が脱走をした。
首謀者はニ代目白駒ソータ、僕、白澤の与えた権限を利用してワタリビトたちを解放し脱走した、白駒ソータとしての最高傑作と人造混血の媒体となりうる者たちが居なくなったのは痛手だが、まだ何とかなる。
ぬらりひょんにでも頼んでコンを動かしてもらおう。
白駒ソータの枠は一代目では埋まりきらないため新しい三代目白駒ソータを作ることを急務とする。
このような事件は以後存在してはいけない。
これからもこのレポートは破棄しない。
[No.0007【ナニカ】]
人妖桜[ユメ]の周辺の墓に眠る死者たちの恐怖の具現。
[No.0008【核】]を軸としエネルギーをまとわせ実体化させている。
核を中心として発生する存在故に核が剥がされると指向性を持たぬエネルギーとなり消え去る。どこまで行こうと謎にまみれた存在である。
複数の核を持つ固体等は相性により消え去ったり逆に相乗効果で強さに磨きがかかることが判明している。
これからもこの研究は継続する。
ここまで読み終えると店長はオフィスチェアを立ち資料をすべて、何百以上、下手すれば何千かもしれない物たちを回収して撤収することにした、コレはこんなところで読むものではないと判断して。
「私にこんなものを見せて、何をさせたいんだ…それともそんなことは何一つ考えてないのか?」
そう呟くと店長はその部屋から退出し研究所からも出た。
とてつもない秘密に触れてしまった気がしたがまだまだ残る資料たちを読み込むことこそが急務であると理解していた。




