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混血のバイト  作者: ルト
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臨時会議【妖怪、混血、店長】

ソータの能力によって全ての怪我を完治すると、病院から半ば追い出されるようにして退院させられた。

そして数日後、今回の件に関わりのあるであろう者たちが集められた。

万屋【閻魔】の談話スペースは今会議に参加する者たちだけが座っていた。


「で、連絡がつかなかったのは何人だったのかくらいは教えてもらえるのかな?」


と笏(しゃく)を持つ小さな男は口を開いた。


「今日呼ばれる予定だったのがろくろ首現当主と先々代当主、白澤と先代ろくろ首当主を除いた支援者18名、それと私と私の仲間4名の計25名」


少年は少し当たり見渡すと


「この場にいるのは、10人だね」


「そうですね、返信がなければ敵とみなすと送っておいたので返信がなかった猫、ぬらりひょん、女郎蜘蛛、大蝦蟇(おおがま)、酒呑童子の5名は白澤と同じく敵として計画を練ります、あ、飲み物とってきますね」


そう言い店長は退室した


「聞いてみると案外敵に回ったもんだな、というかぬらりひょんと酒呑童子が敵なら狸と狐はぬらりひょんに、茨木童子は酒呑童子に付き従って行っただろうから、厄介な奴らだな」


すると少年の隣に座っていた顎に髭を蓄えた大男は立ち上がった。


「鍾馗(しょうき)、どこへ行く」


「あ奴らが悪鬼へつくのなら儂はあ奴らを切り捨てるのみ」


「馬鹿を言うな、貴様みたいな神と妖怪の狭間のような存在はぬらりひょんの思いのままだろうが!」


宝剣を掴み立ち上がる鍾馗と呼ばれた大男を少年は声を荒げて立ち止まらせた。


「そんなものが儂に効くとでも?」


「万が一があった場合さらに不利になるだろうが、その辺の話だってするべきだろう」


「爺さん共は当分黙ってな、若い子らが何も言えてないだろう?」


白熱しかけていた少年と鍾馗の口論をピークに移行する寸前にレオンが慣れた手口で止めた。


「そうだ、レオン、貴様にも聞いておきたい、動画に出ていたあのろくろ首は一体なんだ?」


「そうだね、僕もそれは聞いておきたいかな、裁判をしてたとき休憩中に観ていたけれど、アレは動画越しだからこそあれが本物か否かくらいは知っておきたい」


「おっと、標的が俺に変わったな、というか2人とも本当のところはわかってるんだろ?」


「まぁ、あの肉体の強度はそう居ないってのはわかってるよ」


「その程度ならば儂も理解はしよう、だが」


「猫がいるのなら、わかるだろう?」


その言葉に3人どころかほとんどのものは口を閉じた


「あの、すみません、1つ質問なのですが」


「何かな?むつちゃん」


手を挙げたのは現ろくろ首当主のむつであった。


「猫って誰ですか?」


「猫は猫なんだが、とりあえず姿は猫だ、腕力等の力は無に等しい、しかし」


「能力が駄目だよね、厄介すぎる」


「それは、一体どんな?」


「どんな状態の死体でも横を飛び越えるようにして跨ぐと全盛期の姿に変えて生き返らすことができる、それが猫の能力」


「それだけじゃないよ、猫はね無数にいるんだ」


少年が笏を床に突き立てると生き物の断末魔とともに猫の首が転がり出てきた。


「こんなふうに、問題は別の個体にも情報が伝達されること」


「あの、本体とかは…」


「そんなもの、知らせるわけがないだろう?」


「というよりも、どれもが最後の一体になれば本体になりうる、らしい」


「厄介極まりない能力ではあるが、まぁそんなヤツを気にする必要というか余裕はない」


「なぜ?」


「それよりも厄介な奴がいるからだ」


「それは?」


「「「ぬらりひょん」」」


3人の声が重なった。


「どうしたの?」


部屋に店長が入ってきた。


「ふーん、まぁそういうふうになるよね」


その後話を一通り聞いた店長が放った言葉はそれだけだった。


「そもそも、ぬらりひょんは妖怪相手なら支援者だろうと無傷で全員を突破できるからね」


「そんなに、強いのですか?」


「妖怪なら無条件で従わせる、それがぬらりひょんの能力だよ」


「ぬらりひょんとやり合えるのは、私や混血か人間か都市伝説くらいだね」


その後も話し合いは続いた、桜との戦いの際の動画を要点だけまとめて見直したり今後の行動やら何やらを定めた結果。


「むつちゃんは当分…そうだなぁ御屋敷から出ないこと、いいね?」


「わかりましたわ」


「あたしもむつを守ることに専念させてもらうよ」


「じゃあ、僕は獄卒達を別の場所に隔離した上で職場で待つことにするよ、鍾馗は僕のとこで一緒にいるかい?」


「うむ、そうさな共に居ればどちらかを逃がすも自害するもやりやすくなるだろう」


なくなりかけの玉露をついで飲む爺さんと少年、2人が話す内容は以外に物騒だった。


「あ、俺は少し実家の山に帰ろうかなと」


「あぁ、鎌鼬(かまいたち)に会いに行くのかい?」


「そうさせてもらいます」


「ソータくんは、ろくろ首の御屋敷へお世話になるかい?」


「いや、【閻魔】に残りますよ、ぼくは」


「俺は、少し昔の仲間に会いに」


「コウジくん」


「大丈夫ですよ、なにもカエデを取り返しに行くわけではないので」


「ならいいよ、好きにしなさい」


「ありがとうございます」


「トウカくんは?」


「俺は、知り合いの都市伝説に聞き込みとかですかね」


「あまり他人を巻き込まないようにね」


「わかってますよ」


「店長は?」


「ん?私かい?私は、昔の仲間と一緒に白澤の研究室にでも行こうかな、なるべく役に立つものを探さないとね」


そしてその場で臨時会議は解散となった。

偶然か必然かその日その時に敵対したとされている白澤らの一味が会議を行っていたなんてことは誰も知っていなかった。

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