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混血のバイト  作者: ルト
27/28

人妖病院 1

タイトルの書き方を変えます

色々なことが落ち着いたので元の投稿ペースに戻していけるかと思います

人妖病院、そこはどこにでもあってどこにも無い、必要なときは現れ必要でなくなれば姿を隠す、病院そのものが生命であるかというように、その姿は変化する。




「んぁ……どこだ?ここ」


目が覚めるとそこは真っ白な清潔感あふれる病室だった。


「あぁ、起きたんだねコウジ君」


眠い目を擦って起き上がろうとした時に隣から声が聞こえた。


「店長?」


顔を横に向けると、いつもと変わらず微笑んでいる店長がいた。


「おはよう、コウジ君、良い夢を見れたかな?」


「さぁ、夢なんて起きたら忘れるものだし」


俺の返答に店長は少し困ったような微笑みを浮かべて「それもそうか」と呟くと


「とりあえず、立てるかい?」


と言い俺の手を取った。

俺は体を起こして立ち上がると店長が車椅子に乗っていることに気づいた。


「それは?」


「あぁ、これね、私は歩けるから大丈夫って言ったんだけど、お医者さんや看護師さんがうるさくてね、車椅子に乗ることになったんだ」


そう笑いながら言う店長の両足には硬めのギプスのようなものがつけられていた。

そして店長の車椅子を俺が押す形で移動し始めた。

廊下を歩いていると


「ねぇ、コウジ君」


「どうした?店長」


「今は待つべき時だよ」


「…あぁ、わかってる」


それからはお互い無言で廊下を歩いた、話すべきこと、話し合わなければならないことは残りの3人も揃ってからの方がいい。

俺も店長も何も言わずともそう察した。


「あ、ここだよ」


そう言い店長が指した病室に入ると。


「お父様、まだお認めにならないの?」


「む…僕としては認めたいんだけどね、やっぱりお母さんとも話したほうが…」


「お母様とはもう話をつけましたわ!」


「喧嘩して一方的に家を出てきたことを話をつけたとは言いません!」


「…」


その病室には患者衣を着てベッドに寝ている男が2人と片方の男に詰め寄る少女が1人。


「何してるんです?」


「あぁ、店長ですか、助かった…」


「助けるかどうかは聞いてから考えるよ、トウカ君」


「そんなぁ…」


「おぉ、店長、いいところに」


「あら、店長さん、ちょうどいいわ」


『このわからず屋にお灸をすえてくれ(くださいな)!』


声が揃う男と少女を見るとあぁ、家族だなと感じてしまう。

店長を少女と男の方に寄せて俺はトウカに話しかける。


「なぁ、トウカ」


「ん…コウジか」


「その、首の包帯はなんだ?」


「お?コレか?コレは相手に最後の最後で一撃食らっちまってな」


そうなんでもないかのような表情で語るトウカの声は少し掠れていた。


「治るよな?」


「治るさ、ところでお前はこんな話よりもあの2人のことを聞きたいって顔だな」


「こんな話って言うような内容じゃないだろ…」


「まぁ、気にすんな、あの2人は俺関連ではあるから、聞きたいなら聞かせてやれるが」


「もったいぶらずに言え」


「まずはお前の知っている通りミアは俺と結婚を前提に付き合いたいと言っているわけだな」


「あ?まだ付き合ってなかったのか?」


「当たり前だろ?まぁ、とにかく俺とミアが付き合うことをレオンさんは認めてるんだが、サングィス家にはそれを良く思わない者も居るわけだ」


「純血の血ってやっぱり大事なのか?」


「お前な…そうだな例えるならカエデが居るだろ?もしカエデがお前の知らないどこの馬の骨とも分からん奴が『カエデさんと結婚を前提にお付き合いさせてもらってます』なんて言ってきたらどうする?」


「は?潰すけど、それ以外あんのか?」


「そういうことだ、わかったか?」


「いや、お前はサングィス家全体に好かれているだろ?」


「ん…いや、そんなことはないだろ」


なんか苛ついたのでトウカにデコピンを食らわせる


「イッ、たぁ…何すんだよ」


「え?苛ついたから」


「酷いな、お前」


「とりあえず、それでミアちゃんはお前との付き合いを反対する言い合いの喧嘩になってそのまま家を出てきてしまったってことか?」


「そんなもんだよ」


そう言うとトウカは少し窓の方を見て


「消えたんだな、桜」


「お前その時にはもう現場にいなかったのか?」


「あぁ、レオンさんを連れて逃げたよ」


「情けないなんて言いそうな顔してるんじゃねぇよ、あの時はそれが最善だと思ってたんだろ?」


「あぁ」


「なら胸を張れ、お前が間違った選択をしたときなんてほとんどないんだから」


「そうか、そうだな」


そう微笑みを浮かべて離すトウカは俺が目覚めてから初めてトウカらしい顔をしていた。


「あぁ、そうだよ、ところでソータとリトオは?」


すると微笑みを浮かべていたトウカは表情を顔の下に隠して俺に告げた。


「リトオは誰よりも軽傷だったから先に万屋に戻って被害の調査をしてる」


その内容に俺は安堵した、何か大変なことが起こったのかと不安だったから、リトオは無事だと知れて安心できた、が


「ソータは、意識不明の重体で少し離れた病室に寝ている」


既に放たれていた不安という形の矢は俺の思っていたよりも悪い方向へと的中した。

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