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混血のバイト  作者: ルト
23/26

幕間 人妖列車

【人妖列車】


この列車は人妖町を一回り大きくぐるりと一周するように回る。

様々な人々がこの列車に乗り移動する、人妖町の主な移動手段。

各車両SL風から電車風様々な車両で繋がっていて様々な好みに対応している。


           人妖町ガイドブックより抜粋



人妖列車のSL風の車両内、変わり映えのしない人々が乗り込む中、今までに見たことのない4人の黒ずくめの男3人と真っ白な服に身を包んだ豪奢な男1人の4人組が居た。

乗客たちは最初こそ不思議がりはしたが数分もすればそんなことを忘れて電車に揺られてスマホを見ていた。

それほど人々が見ているスマホの画面には万屋【閻魔】のバイト4人と正体不明の存在が正真正銘の殺し合いをしている姿が流れている。

皆が皆それに夢中になっていて4人組の会話に気づかない。


「いやぁ、こんなに人が乗るとはね」


そう落ち着きのある声で呟くのは黒の服に身をつつみサングラスをかけた成人男性の平均身長を少し上回るほどの身長をもつ黒髪の男。


「そりゃそうですよ、今通勤時間なんですから」


「そうなのです、相変わらず貴方は時間にルーズなのです」


そう少し高めの声を出したのは黒の服に見をつつんだ声変わりを終えてないような子どものような身長の2人。


「まぁ、いいじゃないかこんな時があっても、次の駅で降りないとね」


そう白く何処か中華な雰囲気の服を着る長身かつ白髪の男は3人に伝える。


「おや?もうそれだけ経ったのかい?」


「そうなのですか?白澤サマ」


「そうだよ、あとコン、しっかり敬意をもって白澤様と呼びなさいよ、一応僕等よりも地位は上なんだから」


「いや、いいさ様なんてつけなくて、僕等三人は同じ主に仕えてるんだから」


「そうなのです、白澤もこう言ってるのです、ポンは実にわからずやなのです」


「…そういうことなら、僕も呼び捨てにしますね、白澤」


「それにしても…鬱陶しいな」


楽しそうな雑談が終わる頃に常に黙っていた男は口を開いた。


「どうしました?主」


「確かに視線を感じるね」


「ん…変な感じがするのです」


すると列車内に一枚の桜の花びらが滑り込んできた。


「あぁ、連絡だね」


桜の花びらが変形していき一体の手紙のナニカへと姿を変えた。

その様子を見て驚きどよめく乗客をよそに白い男が手紙を拾い席に戻る。

そして手紙を広げて4人で手紙を読む。


「おや、少しだめな感じか」


「そろそろ行かないとだね」


4人は席を立ち


「やっぱりこの車両の奴らどうするのです?」

 

乗客たちは不審な目を4人に投げかけている。


「…そうだね、ポン、コン、この車両の人たちだけ殺っちゃいな」


するとポンとコン凶暴な顔をした狐と狸に姿を変えその車両の中にいた人々を食い殺した。

悲鳴はない、痛みもない、目を閉じて開く程度の瞬間にその場にいた数十人の命は刈り尽くされた。


『間もなく人妖町西、人妖町西でございます』


少し多めの血が内壁についた乗客4人の車両内に流れたアナウンスは少しむなしく響いた。


駅に止まり扉が開くと4人は車両から降りた。


「待っておりました、主様」


駅から4人が出てくると黒服の若い男が出迎えた。


「やはりこうなりましたか」


「見てたのか?」


「見えましたよ、ばっちりと」


そう言い合いながら歩く5人は人面がついている車輪が炎でてきている人力車のような存在の前で止まる。


「今日もよろしくな、火車」


「はいはい、承りましたよ、ご主人様」


大口を開けて5人を食らうようにして車内に入れると


「今日はどこへ向かうので?」


「あぁ、桜の元へ大至急だ」


「だいぶ大変みたいで」


その言葉と同時に火車の炎の車輪は回転をはじめ空を浮き、空を走る。

桜の元へ向けて走る火車を撮られた写真が少しニュースになったのはだいぶあとのお話。

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