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混血のバイト  作者: ルト
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赤と黒と真と偽

ナニカに意識があると確認されてはいない、もしもの話になるがもし、ナニカに意識があるのであれば、いつか自我の確立と会話、その2つができるかもしれない。

           白澤の研究レポートより抜粋



「オレはお前の相手をする必要はないはずだが?」


そう語る男の衣服はコウジと同じ少し大きめの着物に変わっていった。

色はコウジの燃え盛るような赫色とは違いすべてを飲み込むような漆黒であった。


「俺の真似事か?」


そう問いかけながらコウジは悠然と拳を構え、警戒を怠らない。


「オレとしてはお前を見逃してやろうと思ったんだがな」


そう呟くとコウジのようなナニカからコウジへと放たれる圧が先程までの何十倍にもなって放たれる。


「嘘をつくなよ、お前の顔、さっきから殺り合いたいって顔だったぜ」


と言ったかとと思うとコウジは気づけばコウジのようなナニカに接近し、鋭い蹴りを放つ。

それをやすやすとコウジのようなナニカは受け止めると。


「オレのことをお前と呼ぶな」


告げる、小さな声、けれどそれまでに発されたどれよりも、力強い声。

コウジは思う、コイツは一体いくつの核を持っているのかと、現れたときの状況を考えれば軽く見積もっても40は軽く超える。

そう冷静な頭で感じ取ったコウジが次の瞬間に考えていたこと、それは―


―なんて、なんて面白そうなんだ!


目を輝かせてそう思った、嘘偽りなく、素直に、子供のように純粋に。


「何故目を輝かせている?お前はオレに」


「うるせぇ!ずっと掴んでんじゃねぇ!」


目を輝かせていた様子から一転、そう叫ぶとコウジは未だに疑問符を頭に浮かべたような表情のコウジのようなナニカに掴まれた足に更に力を加えて無理矢理にコウジのようなナニカを顔面から地面にめり込ませる。


「お前の名前も知らねぇし、そもそもなんで俺みてぇな格好してるのかよく分からんが、ぶっ飛ばす」


そう拳を掲げて叫ぶコウジに地面から起き上がったナニカはこめかみをひくつかせながら


「あぁ、そうかい、俺の名前はコクだ、冥土の土産に覚えていけ」


そう言うとコクと名乗ったナニカの姿は掻き消えた。

コウジの背中にどこからともなく現れたナイフが深々と突き刺さる。


「がっ!」


コウジは拳を真後ろに打ち込む、がその拳は空を切った。


「残念だったな」


そう耳元に声が聞こえたかと思うとコウジの体に包丁やナイフ、短剣などが次々と突き刺さる。


コウジは今この場において、全てにおいて後手に回っている。

腕を振るおうとも辺り一面に蹴りを入れようとも、それは変わらなかった。

それをもって、コウジは使うつもりのなかったとある言葉を発した


「出てこい、出番だ、カエデ」


その言葉が終わると同時に


「はいはいはーい、リーダーの右腕どころか左腕も、両手両足なんでもござれ、山嶺カエデのお出ましですよ〜!」


と少し鼻の長い赤い天狗の面で顔を覆い手には八ツ手の団扇、足に履くのはかなり高い一本下駄、着ている服は結袈裟、そして放つ言葉の節々から元気な印象を与える女の子がどこからともなく現れた。


「!?」


姿を見せないコクが驚く気配を感じた。


「驚いたか、コク、お前だけが隠れれるわけじゃない」


そう小さく呟くとコウジはとある箱をカエデに渡す。


「やってやれ、カエデ」


「はいは〜い…風よ部屋を作れ」


その言葉と同時にカエデは手に持つ団扇を振るう、それだけでその空間は固定され、風の牢獄とも言える風に囲まれ固定化された空間が出来上がった。


「さて、3人で堕ちようぜ、赤い部屋の中へ!」


コウジは能力を発動させる、裂けた左の掌から溢れ出した紅い液体が風の牢獄の内側を染め上げる。


赤い部屋は、内部の異物を許さない。


四方八方から剣や斧、マチェットに鉈、果てはギロチンにまで、多彩な武具が異物に襲いかかる。

姿を隠すことを無意味と悟ったか透明化を解除したコクは辺りを走り放たれる武具を全て華麗に避けていく。


「えー、アレって避けれるんすね」


「あ?お前もできるだろ?」


「そりゃそうっすけど、あたしにはコレがあるんで」


と言いカエデは白い小さな箱をコウジに見せる。


「コレはリーダーの親愛の形っすね〜」


なんてのたまいながら体をくねくねさせるカエデの頭をコウジは軽く叩き


「さっさと手伝え」


そう言うと走り出した。


「もう、わかってるっすよ」


そう応えるカエデは静かに、流麗に団扇を振るう。


「風よ、敵を逃すな」


その言葉に応えるようにして風がコクの足を固定して動きを止めさせる。


「流石だな」


と言いながらコクの元へ拾ったバスターソードを振り被り、斬りかかるというよりかは柔らかいゼリーをスプーンで横2つに分けるような動きでコクの体を切り裂いた。


「やったっすか?」


コウジは無遠慮にきくカエデの方を見て


「お前な、そんなこと言って起き上がってきたらどうすんだよ」


なんて茶化している時に、コクは立ち上がった。


「マジかぁ…」


片手で顔を覆いながらもう片方の手に持つバスターソードを遠慮なく投げる。するとコクはバスターソードを片手で手を振り払うようにはたいて防ぐ。


「俺の核は通常の核80個が集まって出来てるんだ、あと79回倒せるといいな」


そう言うとコクはコウジとカエデに向かって走り出した。

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