179いつもの日常へ(タツヤ)
それからというもの、ラビリンスに戻ってきて、今まで通りの生活に戻った。何か変わったかというと、何も変わらない。
地図を作り、リアの店でそれを売る生活。
違うとすれば、家に帰れば、羽の生えた虫がいるぐらい。「んじゃ、行ってくるわ~。」と言っては、毎日、部屋の窓から街に出かけては、ラビリンスの住人に毎日イタズラをしているんだとか。大迷惑な。
それと、隣人の霞。霞とは隣人だし、安マンションの廊下ではよく顔を合わせる。
「よっ、元気?今日も地図作りに行くの?」
「そうだな。今日はグローリーホールの近くで採掘か?」
「えぇ、そうね。アリエルちゃんはどこ行ったの?」
「あいつなら、イタズラしに行ったんだと。まったく大迷惑だ。」
「へぇ、そうなんだ。ね、今度さ、ちょっと儲け話があるんだけど、今度そっち行っていい?」
「ま、べ、べ、別に構わないけど。」
「そう。じゃ、今度、せっかくだから夕方、夕飯でも作って、そっち行くわ。」
霞があの人だとわかった。だからといって、特に何かが変わったことはない。
いつもの日常、いつもと変わらない日々。
ただ、少し、霞とは距離が近くなった気がする。
霞が、こんな感じで俺の部屋にも気軽に来るような間柄にもなっていた。ただ、俺はそのたびに緊張していたけどな。
さて、そんな日常ではあるが、霞が俺が探していたあの人だとわかったということで、どうしても伝えておきたいことがある。
多分、ダメだろう。わかってるさ。でもいいんだ。ダメでもいい。ダメなのはわかっているさ。けども、転生する以前に、あの人には、どうしてもしても言っておきたかったんだ。
霞に記憶がないにしても、あの人が今、すぐ側にいるのであれば、それを伝えておきたい。
言っておくが、おれはオッサン、相手は年齢は聞いたことはないけども多分20代の若い女性。バカげてるさ。
よくわからんが、なぜか転生すると毎回この年齢からやり直しだ。
「な、霞。それと、俺も話があるんだ。今度、時間もらえないか。」
「な、何よ。急に改まちゃって。」




