169エピローグ―人生の最後(筆者)
その後、その二人がどうなったかのは定かではない。
人の命というものは有限である。
たとえ、転生した者であっても人である限り、いずれ、その命の尽きるときはやってくる。
これは、ある兵士からの目撃情報である。
その兵士は、この戦禍から逃げるために、ラビリンスでもなく、ノヴァリスでもない、地上の森の中の小さな湖畔に迷い込んだのだそうだ。
その兵士が言うには、その湖畔の脇に、小さな小屋が建てられていたのだという。
ノックをしても、何も反応がなく、ドアを開けて小屋に入いると、仲睦まじそうな老人と老婆が、互いにもたれかかるようにソファに座る亡骸を見つけたという。
幸せそうな顔をしていたんだとか。
もし、その亡骸がタツヤと霞であったならば、きっと次の世界へと再び転生を繰り返したのであろう。
タツヤの人生はずっと孤独だった。友人もおらず、ただ、ひたすらに蔑まれながら孤独に生きた。
喋る相手は誰もいない。
周りからは、「死ね」「バイキン」「臭え」とか言われながら蔑まされる。
タツヤはそんな世界を幾度となく、幾度となく、転生した。
一回や二回とかではない、何万回、何十万回、無限と思える人生をずっと過ごした。
ずっと、ずっとなんだ。
そうして、偶然出会えた今回の転生。幸せな世界に見えたけども、所詮は幻だったのだろう。
それまでずっとそうだったならば、人生が変わるなんて、そんな夢みたいな話なんかあるわけがない。
それでも、タツヤはそんな世界でも小さな幸せを掴んだのかもしれない。
どうか、二人の次の転生先が幸せな世界になることを願ってやまない。
タイトルに「エピローグ」とついてますが、終わりではありません。
演出上、そのようなタイトルにしています。
まだ、30話ほど続きます。どうか、最後までお付き合いください。




