145アースホールの奥底へ(タツヤ)
「おい、アリエル。一応、周りに変な虫はいないよな?」
「失礼な。虫ではなくて、アイツも一応妖精なのです。まぁ、あたしのことじゃないので許すのです。ちなみに、あたしは、超が付くほどかわいい妖精なのです。」
なんか言っているが放っておこう。
ベベルの案内でせっかくだからと、ノヴァリスの街を案内してもらっていたが、元々は、魔女さんの転移魔術でアースホールにまで戻してもらう予定だった。
ノヴァリスの街を案内してもらっていると、セシリーとかいう余計な邪魔が入ったせいで余計な労力を使った気がしないでもない。
なので、例のセシリーとかいう害虫にはきちんとお帰りいただき、邪魔が入らない状態で、転移魔術を使ってもらう。
これで本当にお別れになるのだろう。ベベルや、魔女さん、セイイチと挨拶を交わす。
「あばよ。会えてよかったぜ。」
「元気でね。」
「また、今度な。」
そして、朱音、、、別に仲間にしたつもりはないのだが、勝手についてきて、俺たちが、ベベル達のいるこの世界にくることになったきっかけを作った張本人。
朱音は、ベベルがいるこの世界にしばらく残るのだとか。
「タツヤさん、霞さん、えぇと、虫さん?」
「妖精なのです。」
「えっと、妖精さん、ありがとうございます。おかげさまでベベルさんたちと会うことができました。」
朱音、相変わらずの美少女スマイル。元RGF社の兵士とは思えぬ、なんという天使の笑顔。
朱音がいなければ、このノヴァリスに寄り道する必要はなかったというのはあるが、かわいいから許す。
お互いに挨拶をすませ、いよいよ、魔女さんの空間転移の魔術を使ってもらうことになる。
ただ、ここは地上で気が集まらない。まして、ここは空の上。
アリエルならば、人から気を吸うことができるので、アリエルの集めた気を魔女へと流してもらい、空間転移の魔術を発動してもらって、アースホールまで戻してもらう作戦だ。
問題は誰かがアリエルの犠牲となって気を提供する必要があるわけなのだが、さて、誰が犠牲になるか。。。
「なら、あたしの気を使ってください。」
と朱音が申し出てくれたのだ。なんとも、ありがたい。
「そうか、ありがとな。また、冒険してれば会えるかもしれないな。。。それに会えてよかったな。」
「そうですね。そのときは、冒険話をお聞かせしますよ。それにタツヤさんも、会えるといいですね。ってか、会えますよ。きっと。」
「あぁ、そうだな。」
朱音と握手を交わした。そして、ベベルたち三人たちとも握手をする。
「お互い、あの大穴を通り抜けてきた冒険者だ。探し人でもいるようだが、幸運を祈ってるさ。」
「あぁ、ありがとう。」
これでもうやることはない。
「アリエル、アイリスさん、よろしくお願いいたします。」
「ではいただくのです。」
アリエルは朱音の指にしゃぶりつき、気を吸いだす。
魔女は、アリエルから気を吸いだし、それを自分の魔力へと変換する。
ただ、ふと、ここで冷静になってみて気づいたことがある。
今、魔女が空間転移の魔術をつかうため、朱音→アリエル→魔女、というように気を流しているわけではあるのだけど、朱音→魔女、でいいのではないかと。
アリエルいらなくねぇ?




