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142妖精のイタズラ(セシリー)

 

「痛ってー!!、タンスの角に足の小指をぶつけた!!」

「むにゃ、むにゃ、、、、えっ、もう10 時じゃん!!目覚まし時計セットしたはずなのに!!」

「あら?机の上に置いた財布知らない?どこ行ったのかしら?えっ、なんで冷凍庫に入ってるの!?」

「えっ、電車のドアにリュックの紐挟まれた!あと、10駅はこっちのドア開かないんだけど。」

「ふー、疲れた。よっこらせと。痛ってー!!何で地面にタケノコ生えてるの!!」

「おい、おい、何でさ、探してた免許証が女子更衣室から見つかるの?周りの目線がゴミを見る目線なんだけど。。。」


 クスクス。


 あぁ、いい気味。みなさん、こんな経験、一度はありますよね?よね?


 えっ?あたしは誰かって?

 何を言ってますの??

 見てごらんなさいな。この可憐な姿に、あなたの手に乗りそうなほどに小さく華奢な体、そして、この美しい羽、どうみても、かわいい、かわいい妖精じゃないの。


「ねぇ、セシリー!ちょっと暇だから下界にイタズラでもしに行ってくるわー。」

「あら、ピクシー、気をつけてねー。」


 そう、あたしはセシリー、かわいいかわいい妖精、セシリーです。


 えっ、アリエルは、って?


 あぁ、あああぁ、あぁ、むかーし、昔、そんな妖精もいましたね。

 えーと、アリエルはー、、、、まっ、気にしないで。


 ここは未来都市ノヴァリス、生き残った人間たちが作った未来都市。

 近未来的な高速モノレールが縦横無尽に走り回り、建物も洗練されて新しい建物ばかり。

 そう、ここは天空の楽園都市なのです。


 地上で戦禍があってからというもの、昔は、人々が集まるところと言えば、人間たちが巨大洞窟内に作った大都市、巨大地下迷宮都市ラビリンスぐらいだったのよ。

 だからね、仕方がないからあたし達妖精の村もその近くに作ってたのよ。

 け・ど・も・そこは遥か深い洞窟の中、ジメジメしているし、謎の虫が湧くし、暗いし、もう最悪なわけよ。

 そんなとき、ふと、耳にしたのは、地上の戦禍を生き延びた人々が空に浮く島を作って、そこに町を作ろうとしている、っていう話よ。

 妖精って言うのは、地獄耳なのです。


 なんと、ならば、ついに、あたし達も、このジメジメとした地下の暗い村を捨て、新しい天空の島へ引っ越そうということになったのよ。


 まぁ、アリエルは、ケツをボリボリ搔きながらぐっすり眠っていたわけだけど。

 あんなラビリンスみたいなジメジメした地下都市なんてアリエル程度がお似合いなのよ。


 ってなことがあって、早速、天空の島とやらが完成したという話を聞いては、早速、村ごと引っ越しを開始したというわけなのですよ。

 で、引っ越しは大成功。

 何も光の入らない地下の村と比べて、何よりも、太陽の光が心地よく降り注ぎ、新しい町の匂いがいい感じの匂いを醸し出すの。

 これは、引っ越し大成功ね。


 ただね、そんときに、アリエルがぐっすり寝ていて、こいつどうしようかという話があったのよ。呼んでも起きないし、叩いても起きない。相変わらず、半ケツだして、ボリボリとお尻を掻いてやがる。

 まったく、こういうのが妖精としての品格を落すのよね。

 でね、


「なんか、気持ちよさそうに寝てるわけだし、起こす可哀そうじゃない?」


 ってな話になって、そのまま寝かせてあげることにしたのよ。まぁ、後で起こせばいいわけだし、、、、

 って思っていたのだけど、いやー、天空の世界が快適過ぎて、アリエルの所まで、戻るのが面倒だったのよね。


「あれ、そういえば、アリエル、いなくなくなくない?」

「そういえば、いないな?まぁ、いいんじゃない?どこいるんか知らんけどあいつ、うざいし。置いてこうぜ。」

「ま、そだねー。」


 てな感じのことがあったわけなのです。


 ただね、一応ね、心配じゃない?

 だから、忘れかけてた頃に、アリエル何やってるのかな?って、覗い見てたら

 アリエルが、人間ごときに捕まってるじゃん!

 妖精が人間に捕まるなんて言うのは究極の恥なのよ。

 うわぁ、ダサっ!!


 あいつ、人間ごときに紐でグルグル巻きにされてやんの!

 うん?なんか、若干、顔がほころんでない?うん、あいつ、Mッ気があったしな。


 真の妖精というのはね、いかに人間にばれずにイタズラをするかなの。

 人間にバレた時点で妖精失格ね。

 まぁ、人間の作った虫かごなんかに閉じ込められて、まぁ、おかわいいこと!


 しかも、何か、半透明になってないかしら??あぁ、そういうこと。地下の似合うアリエルにはお似合いだこと。

 どうやら、地下では大事件が起きたようね。

 せっかく、戦禍から逃げられた人々は地下へと逃げ込んだことがで、再びの安泰の時代を得ることができたというのに。あいつね、アイギスね。昔はバンパイヤチャレンジでよくお世話になったわ。

 地下に越してから、ようやく人々からの想いが集ったというに、アイギスのせいで、半透明になるほど、存在が希薄になるなんて残念なこと。


「ぷっ」


 あっ、ごめん、思わず、おならしちゃった。


「ねぇ、セシリー、暇じゃない??街に遊びに行かない??」

「えっ、行く行く!今ちょうど、暇してたとこ。」


 さて、今日も元気にイタズラしに行きますよ!


 ということで、早速、見つけたのはおそらく、このノヴァリスの外からやってきた冒険者達でしょう。

 何も知らないそうな冒険者どもに、早速、洗礼を与えやるのです。


 ここは居住区、ベランダには洗濯物が干してあるので、ちょっとして風を起こして洗濯物を飛ばしてやります。


「あっ、俺のパンツがーーー!」


 といって、そのまま洗濯物が、女冒険者の顔面に張り付くのです。

 あぁ、面白い。見て、あの顔。


「プー、クスクス。」


 あたしはその様子を観葉植物の茂みの中で隠れて見ているのです。

 どうやら笑い声が聞こえたらしく、人間たちは、この付近を探し始めますが、まぁ、人には見えないように魔術がかかっているので、どうせ見つかりはしませんけどね。


 と思っていた矢先のこと、そこで、あたしはまさかの、アイツと遭遇してしまったのです。


「あっ。」

「あっ。」

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