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141天空未来都市ノヴァリス(霞)

 

 ここは天空未来都市ノヴァリス。

 今、あたしたちは、ベベルたちの案内で、この都市に上陸して、この空に浮かぶ天空都市を案内してもらってるの。


 背の高い建築物が複雑に入り組みながら建ち並んで、その間を縦横無尽に張り巡らされたモノレールのような乗り物が高速で行き交っている。まるで、未来都市のような風景。そして、時折、見える建物との間からは青い空が垣間見えて、たまに冷たい風が吹いている。やはり、ここが空に浮かんでいる島であることに気づかされます。


 ベベルによると、この島は常に大きな雲の影に隠れているんだとか。中には略奪行為をしてくる賊がいるだとかで、丸見えよりも、わざと雲を発生させて、雲の陰に隠れて、防衛しているんだそうよ。


 この島の原動力は風と太陽光、ビルの至る所に、太陽光パネルと巨大な風車が設置されていて、それが、この島のエネルギーとなっているそうよ。島の底の部分に、浮力発生装置というのがあって、それによって、空に浮かんでいるのだとか。

 島も、元々は地上の海の上にあった無人島なんだって。

 そこをある天才技術者が浮力発生装置を発明して、空に浮かべるようにしたんだって。凄くない?

 それにね、空を浮かぶ島はこれだけじゃないらしいの。他にも、この島をまねて作った空に浮かぶ島がいくつもあるらしいの。中には悪いやつらの拠点になっているところもあるらしいから、要注意だそうよ。


 っていう話を、この街を歩きながら、ベベルが解説してくれてるのよね。


 アースホールのあの世界へ戻る、っていう話もあったのだけれど、せっかくここまで来たのだから、一度、地上の最先端の世界を見ていけ、ということで、ノヴァリスの街の見学会が開催されたっていうわけね。

 確かに、これは最先端だわ。


 先ほどから飛空艦のブリッジを降りて、しばらく歩いているけどもすごいわ。

 すべてが自動化されているの。

 歩いている、という表現はしたけれど、歩道のほとんど自動化されて、エスカレータのような物や、動く歩道のようなものが縦横無尽に走っていて、人は歩く必要ないの。

 先ほどから、すぐ脇にはモノレールのようなものが走っているけれど、ジェットレールって呼ばれるモノレールの超高速版。レールを垂直にも設置出来て、レールが三次元的に張り巡らされて、高層ビルの上層にだって容易に行けるようになってる。

 先ほどから、大きなカプセルみたいなものが縦横無尽に走っているけれど、あれは、カプセルカーって言われている空飛ぶ車のようなもらしいの。目的地を入力するだけで、自動で目的地に届けてくれるらしいわ。


「ねぇ。すごくない??」


 って、あたしは、タツヤの服の裾をを引っ張るのだけど、


「あぁ、すごいな。」


 って、何よ、その反応。もっと驚きなさいよ。

 代わりにベベルと魔女さんが教えてくれたわ。


「あぁ、凄いさ。初めて俺たちが来たときも、驚きの連続だったさ。」

「そうね。でも、知ってる?ここに住んでいる人たちは、みんな魔術のことは知らないのよね。」

「えっ、そうなの!」


 ラビリンスにいたときは、魔術なんて当たり前だったので、魔術を知らない街なんて驚きです。


 次にベベルたちが案内してくれた場所は繁華街。繁華街といっても、巨大なビルの中に設けられた巨大な広い空間の中にいくつものエスカレータで複雑にいろんなフロアが接続されている。


「いい匂いがするのです!」


 アリエルちゃんは、あたしの頭の上に乗って鼻をクンカクンカさせてます。

 近未来的な、この空間では、空間配置が複雑すぎて、どこにお店るがあるのか一目ではわかりません。ですが、どこかで、おいしいものを作ってるのでしょう。いい匂いが漂ってきます。


「あら?財布が見つからないわ!!」


 歩いていると、どこか人ごみの中から、そんな声が聞こえてきます。

 盗人でしょうか。単に忘れただけでしょうか?あら、可哀そうに。一見、治安は良さそうに見えるのですけどね。


 次にベベル達が案内してくれたのは、このノヴァリスで最も高い場所。あるビルの上の屋上です。

 ここも有名スポットなのか、比較的人がたくさんいて、アイスなどを売っている露店などもたくさんあります。


 さすが最も高い場所とだけであって、ノヴァリスの街がすべて見えます。こうやって見ると、ほとんどが白や灰色でです。街の中を歩いて気づいたけれど、この街では、緑がまったく見当たらない。

 あらゆる場所が舗装され、ビルが建ち並んで、自然の姿が残っているところが一つもないのよね。


「食べる??ノヴァリスで有名なアイスよ。」


 なんと、魔女さんがアイスを買ってくれたようです。もちろん食べます!

 ですが、そのとき、事件は起きました。


 ボトン!


 魔女さんがアイスを手渡した瞬間、頭上と飛んでいる鳥が〇〇をしやがった。。。。見事にアイスに的中。

 それは、チョコレートをかけたアイスのように見えなくはないのだけど、、、

 あたしと、魔女さんは、アイスを手渡しした状態で、しばらくフリーズをしていました。


「クスクス。」


 と、どこか背後で笑い声がしやがるのです。

 キリッ、と背後を振り返り、笑ったやつを睨みつけてやりますが、いません。果て、気のせい?誰もいませんね。

 そのあとは、優しい魔女さんが新しいアイスを買ってくれました。


 さて、次にベベルたちが案内してくれたのは居住区。

 居住区とはいっても、近代的なビルが建ち並んでいて、どれも綺麗なオフィスのようです。

 と、街を歩いていると、


「痛ってー、角に足をぶつけた!!」


 と騒いでいる人がいます。あら、可哀そうに。ただ、なんだか気にはなっていたのだけど、さっきから、財布をなくしたり、アイスの上に鳥の〇〇が落ちてきたり、角を足にぶつけたり、と不幸な人が多くないでしょうか?


「妖精のイタズラさ。」


 と言ってくれたのはセイイチです。


「ノヴァリスには、こういうのを妖精のイタズラのせいにしているのさ。そんで、妖精に現金を上げないと、イタズラされちゃうぞ、っていうおとぎ話があるのさ。」

「へぇ、そうなの。って、随分現金な妖精ね。」


 と、あたしは今はタツヤの肩に乗って足をブラブラさせているアリエルちゃんを見つめるのです。


「ヒュー、ヒュー。」


 アリエルちゃんは視線をずらしながらも、口をとがらして、口笛を吹こうとして、吹けてないですね。


「おい、アリエル、口笛、吹けてないぞ。」

「あたしは知らないです。」


 とタツヤとアリエルちゃんが会話していますが、そんなときに第二の不幸が訪れたのです。


「あっ、俺のパンツがーーー!」

「えっ。」


 えっ、声のする方向を見上げると、マンションの一室のベランダから布状のものが飛来し、あたしの顔に覆いかぶさりました。

 最悪です。若干どころか、すでにくさい臭いがします。


「か、か、霞。。。そのまま、目を閉じてろ。世の中には見ないほうがいいこともある。。。。」

「ご、ごめん、今、声が聞こえたから。。。もう、遅い。。。」


 といってタツヤがあたしの顔面に覆いかぶさった布を取りはらってくれたのけれど、あたしの乙女の心は深い傷を背負ったのです。


「クスクス」


 やはり、笑い声が聞こえます。キリッと、振り返るけれど、そこには誰もいないのです。


「う~ん、こっちから声がしたんですけどね。」


 と朱音ちゃんも、背後にある花壇のあたりを調べてくれてますが、何もいません。


「う~ん、、、もしかして、、、、」


 とアリエルちゃんは、その花壇の奥にある観葉植物の茂みの付近を飛んでいます。


「あっ。」

「あっ。」


 そこには、アリエルちゃんと並んで、アリエルちゃんと同じサイズの金髪の羽虫さんがいたのです。

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