138寝室にて(タツヤ)
ベベルたちとしばらく談話をしていたんだ。
さすがに、あの居合や、魔力が弱体化するにも関わらず放出した霞のあの魔術を見てしまったからには、いろいろと聞きたいとこはあるのだろう。
おそらく、転生のことを言ったところで信じてもらえるとは思えないので、その部分は隠しつつも、今までの出来事について話をしたり、ベベルたちの冒険譚について耳を傾けていたんだ。
ただ、夜になったので、互いに部屋に戻ることにした。
戻り際に、ベベルゼルドに、
「女は心変わりが早いから気を付けろよ。」
と、言われたが、一体、何をどう勘違いしているのだか。
それで、客室に戻ったわけだが、なんとも豪華な客室。
空を飛ぶ船だというのに、こんな客室まで具備されているとは、何とも恐れ入る。まるで、空飛ぶ豪華ホテルだ。
で、だ。
「なんで、お前がいる。」
「別にいいじゃない。タツヤとあたしの仲じゃないの。」
ベベルたちが気を使ってくれたのか、男女別に部屋を分けてくれたのだが、、、何でこいつがいる。
一応、こいつ、メスだ。
ディナーの時もそうだが、セイイチはこいつに、骨を出したんだ。ぷっ、思い出すと笑ってしまう、けども、おそらくだが、こいつを俺らのペットか何かと勘違いでもしているのだろう。
まぁ、アリエルがいたところで余計なことさえしなければ、別に問題はない。
アリエルは、いつもの虫かごの中でくつろいでいる。
今となっては、虫かごなんて必要ないが、アリエルがそれが一番居心地がいいいうので、いつも持ち歩いている。
それに、アリエルが何かやらかせば、いつでも閉じ込めておくこともできるしな!
あっ、布団はアリエルに新しい物を買ってやったぞ。
以前はアリエルが、どこからか、勝手におれの使い古しのパンツとは気づかずに布団代わりに使ってたんだ。
そのあとで、何か臭うだとか、少し黄ばんでいるだとか言うのでちゃんと新しい布団を買ってやったんだ。
言っておくが、俺のパンツは臭くもないし黄ばんでもないぞ。いつでもフローラルな香りに、純白のパンツさ。
「ねぇ、タツヤ。」
「なんだ?」
「朱音は、実現したのですよ。自らの想いを。自らの手で。」
「だから、どうした?」
「次は、タツヤなのですよ。霞も待ってるはずなのです。」
「?」
うん?待ってる??
そこで、おれは、ちょっとだけ違和感を感じたんだ。
確かに、この羽虫には、俺が何度も転生を繰り返したこと、霞が自分が好きだった人によく似ていることは言った。
まぁ、あのときは、なんであんなことをこんな妖精に言ってしまったのかと、後々、後悔はしていたが、なんだ、この違和感は。。。
そういえば、前に、頭の中を読める魔術があるとか、言っていたが、まさか、あれで俺の頭の中を読み取ったとでもいうのか?
俺は、恐る恐る聞いてみる。
「なぁ、お前、、、待ってるって何をだ?」
「ずっと一緒にいたので、事情は全部知っているのです。タツヤが目指していること。そして、あのギルドの裏側での会話のこと。妖精は人々の想いなのです。協力するのですよ。」
まったく、こいつは。。。やはりの俺の頭の中でも魔術で覗いたのだろうか。まったく困った奴。
うん?ギルドの裏側での会話?
「ちょっと待て。。。ギルドの裏側での会話?。。。。って、お、お、おい。」
「霞に告白していたじゃないですか。即効でフラれたけども、かっこよかったのです。」
「おい!ちょっと待て、ちょっと待て。ちょっと待つんだ、アリエル。それ以上言うな!」
突如、体の奥底から熱くなったものが込み上げ、それらが顔面中に込み上げ、顔面が火を吹くほどに赤くなる。
背後に、アリエルがいるのがわかるけども、直視が出来ない。けども、恐る恐る振り向く。
「お、おい、、、、アリエル、、、、何で、、、知ってる?」
「リアと一緒に覗いていたのです。かっこよかったのですよ。フラれはしたけれど、『霞、あなたが俺を受け入れなくても構わない。俺は、霞、あなたの側にいたい、オレはあなたの側で君を守りたい。』とか言っちゃって!うぷぷぷ。あら、タツヤ、何か顔がやたに赤く、フガフガフガ!!」
おれは、アリエルの口を手で塞いだ。
「なぁ、アリエル、ちょっと黙ってようか?」
「フガフガ!」
「えぇと、リアも同罪なんだよな?」
「フガ!」
「今度、同じことやったらどうなるかわかるかな?」
「フガ!」
まったく、いつも余計なことをしてくれる。




