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137妖精の食事(アリエル)

 

 どうも、可憐な妖精アリエルなのです。

 そして、人から忘れ去れるようになって、半透明になっているアリエルなのです。

 最近、めっきり活躍しませんしね。


 タツヤに虫として捕まって、虫かごに中に捕らえられて以来、ずっとタツヤとは一緒に行動してきたのですが、ついに来ちゃいましたね。地上の世界なのです。それも、空の上とは、人間もなかなか乙な道具を作るのです。


 妖精は、人々の優しさの想いで出来た純度100%のピュアな生き物なのです。

 今でこそ、あたししかいなくなってしまったようだけど、昔はたくさんの妖精がいて、みんなで地上の街に現れては、イタズラをしたり、バンパイヤの城に入っては宝物を盗みに行っていたものなのです。

 なので、地上世界に出たからといって驚きはないのです。


 あの朱音というドMな女、どうやら自分の探していた人間に出会えたようなのです。

 スゴイことなのですよ。だって、会えるどうかもわからない、だというのに、自分の力で、自分の会いたい人に会えたのですからね。

 タツヤも少しは見習うといいのですよ。


 そして、あのセイイチとかいう、やけにイケメンな青年がせっかくだからと、ディナーを振る舞ってくれるのだとか。

 まぁ、どうせ、冒険者ですよ、ディナーとか言っても、所詮はそこら辺の適当に焼くか、煮るだけの料理でしょ。別に期待なんてしてませんでしたよ。


 だったのですけど、いったいこれは何でしょう!

 ここが空を飛ぶ船とは思えないような純白のテーブルクロスの上に揺れるロマンチックなキャンドルの灯。その周りに並べられたのは、どれも息をのむほど豪華な料理の数々なのです。

 輝くような色とりどりの野菜料理、繊細で上品な香りが漂う魚料理。そして、目を奪うほどの存在感を放ち、肉汁が滴るジューシーな肉料理。一品ごとに贅を尽くしたこの料理が、五感すべてを魅了させるのです。


 妖精は思うのです。セイイチ、お主は剣士ではなく、料理人に転職すべきと。


 妖精は、別に食事なんて取る必要なんてないのですけれど、これほどの魅力的な料理を並べられたら、よだれが出てしまうのです。

 タツヤも、霞も、朱音も、それぞれの視線が次々と料理に吸い寄せられ、目の前の料理に目移りしているのです。

 そんな中、例の魔女がゆっくりとこちらに近づいてきました。その登場すら、まるでこの贅沢な料理の一部にすら見えるのです。


「どう?うち剣士。剣の技も切れるけれど、料理の技も切れてるのよ。」


 えぇ、最高の料理なのです。タツヤも霞も料理を振る舞ってくれるのだけど、この目の前にある豪華な料理と比べてしまうと、、、タツヤと霞の料理なんて犬のエサ、ですな。


 セイイチが近づいてきました。

 そして、あたしにお皿を出してきました。

「どうぞ」と言わんばかりのセイイチの仕草に、思わず息を飲んでしまうのです。この一皿が、ただの料理ではなく、あたしのためだけに作られた特別な料理であることが、自ずとわかるのです。


「ええと、君のはこれでいいかな?」

「。。。え。。。」


 あたしはですね、きっと、この可憐すぎるあたしのために、あたし専用の特別料理を作ってくれたものだと思ってましたよ。まぁ、確かに、あたし、専用の料理、、、、なんですけどね、、、。


 セイイチという料理人、奴はこの可憐なこのあたしに、皿の上に骨を一本載せて出してきたのです。

 まるで、アニメに出てくるかのような見事な骨。。。えぇ、本当に見事な骨、見事に磨き上げられ光輝くような美しいほどに見惚れる骨なのです。


「犬か!」


 と突っ込むのです。

 でも、すかさず、タツヤがフォローしてくれたのです。


「うぷぷぷ。。。。」

「おい、笑うな!」

「すまん、すまん、セイイチさん、こんな奴にまで料理ありがとうございます。でも、こいつは犬じゃないので、さすがに骨は食べないですよ。こいつ、、、羽虫なので。」

「いや、だから、虫ちゃうわ!見て、この美しい羽、華奢な体。透き通るような体。」

「半透明の虫だな。」

「。。。妖精よ!!!」

「ごめん、ごめん、確かに犬じゃないね。それで、ええと、虫さん、、、、妖精さんは、葉っぱでいいのかな?」

「食うか!」


 まったくどいつこいつも、あたしは綺麗で、華奢で、人々の想いできた純度100%の妖精なのです。

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