132空から降ってきた少女(ベベルゼルド)
ということで、俺たちは今、賊を追っていたところだったんだが、突然、空から数人の人が降ってきたんだ。
そりゃ、びっくりしたさ。
そして、あの高度をいとも簡単に着地したと思いきや、その中の一人の女の子が突然、俺に抱き着いてきたんだ。
しかも、抱き付いたと思えば、今度は、大粒の涙を流したんだ。
いやー、俺も罪な男だね。こんな女の子泣かせるなんてな。。。
。。。
。。。
ただ、一言、言っていいか?
こいつ、誰だ?
声に出しては言ってないぞ。間違いなくセイイチから白い目で見られれ、魔女に「クズオ」と言われてぶっ殺される。
「ベベル、、、、ぅヴェル、、、ぅヴぇる、、、」
めっちゃ泣いとるやんけ。
女については、思い当たるふしがあり過ぎて、誰かわからねぇ。
けどな、これほどに女が泣くときにはよ、こうやって、そっと抱いてやるのさ。
背も小さくて、まだ、小さな体が震えてやがる。きっと、相当な想いがあったんだろな。
その後、少し時間が経過し、女も少し落ち着いたようだ。
純粋な瞳をこちらに向けて話しかけてきた。
「ぐすん、、、ねぇ、ベベル、グローリーホールの地下に財宝はありましたね。」
「財宝?レッドダイヤのことか?あぁ、あったさ。すっごい財宝があったさ。けどな、その程度のちっぽけな財宝で満足しちまったのか?」
財宝?何のことかはわからねぇな。けどな、確かにな、グローリーホールの地下はレッドダイヤっていう財宝がわんさかあったさ。だがな、その程度で満足するなんて、まだまだ甘いぜ。
な、俺は手を広げ、この眼下に広がるのは青い海、緑の広がる大地を見せつける。
「見ろよ。この風景を。ラビリンスも広かった。だけどな、地上はこんなにも広いんだ。この一面の青い空、そして、眼下の青い海に緑と黄土色の大地。これだけでも十分な財宝だ。」
言っておくが、でまかせに出た嘘じゃねぇぞ。レッドダイヤも凄い財宝だ。金にすればとんでもない金額になる。
だがな、世の中には金にならないような財宝だってあるのさ。
地上っていうのはな、俺たちにとっちゃ唯一の故郷なんだ。この風景はレッドダイヤよりも価値のある財宝なんだ。
だがな、まだ甘いぜ!
「だがよ、見ろよ。この上をよ。」
俺がそういうと、みんな、顔を上げて、みんな固まった。この風景を見た瞬間、信じられない、というような顔をみんなしてやがる。
面白れぇな。人っていうのは、驚くと、みんな揃って同じ顔をしやがる。
そりゃ、あの風景を見ちまえば、誰でも驚くだろうさ。
この風景を信じられるか?入道雲に見え隠れしているが、明らかに普通じゃないもの浮いている。
まるで、島が空を飛んでいるかのように見える。
けどな、空を飛んでいるかのよう見えるんじゃなくて、本当に島が空を飛んでいるんだ。
あれこそが、天空未来都市ノヴァリス。
何せ、空に島が浮かんでいるんだ!
聞いた話じゃ、地上に残された人の中に、天才的な技術者がいたらしく、そいつが設計し、地上に残された人たちで作り上げた人工島らしい。それに、空に浮かぶ島っていうのは、他にも真似した人がいたらしく、ノヴァリスだけじゃないらしいがな。
これだから、冒険はやめられないぜ。




