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127アースホールと不安と葛藤(タツヤ)

 

「ふぁー、しょうがないわね。」


 朱音に揺さぶられていた霞は、背伸びをしながらも大きなアクビをする。

 そのまま、起きて俺のほうに歩いてきたかと思うと、


 ズッッッッド―――――ン


「痛っええええええ。」


 バズーカで撃たれたと思ったぐらいに、思い切り背中を叩かれた。


「何を鳩がエサだと思って近づいたけど、実はエサじゃなくてゴミだと気づいたときのような顔しているのよ!」

「どんな顔だよ。」

「タツヤって、どうせ死んでも転生するんでしょ。なら、別にいじゃない。何を迷ってるのよ。」

「俺は良くても。。。」

「あたしも、記憶はないけど、あたしも転生者なんでしょ。それに、朱音ちゃんは元RGF社の社員だから大丈夫よ。もはや人間離れしているし。アリエルちゃんだって妖精だし。」


 どうやら、霞には自分の心の中を見透かされているようだ。

 ただ、朱音が元RGFだからという理由には納得できてしまうが、アリエルが妖精だからというのには、一抹の不安がよぎる。こいつ前回アースホールへ潜ったときに寝てたぞ。


 それに、、、


「そもそも、俺は霞についていくって言ったんだ。確かにアースホールに行ければとは思ったが、、、」

「何ウジウジ言ってるのよ。男の子でしょ。ってかオッサンだけど。しっかりしなさいよ。」


 その「男の子でしょ」発言は、今のご時世、セクハラなんだが、霞は俺の会話を遮るように話しかけてきた。

 なんだろうな、このやり取り。どこかに懐かしさを感じる。

 まるで、このやり取り、大学時代の先輩とやり取りをしているかの感覚。顔もよく似ているけども、どことなくその素振りすらも、どことなく似ている気がすると感じていたのだ。


「コホン。」


 と咳ばらいをしたのは、最近やたらに静かなアリエルだ。


「では、準備できたところで、行くのです。」

「ちょっと待て。能無し羽虫。」

「優秀な妖精なのです。」


 と俺は止める。なんか勝手に進めているが、こいつ、前回アースホールで気づけば寝ていた。叩いても起きなかった。それに、あの膜を包んだ魔術だって、気づいたら解除されていて、バラバラになりかけていた。


 人間という生き物はどこかの虫とは違ってちゃんと脳がある。同じ過ちはしない生き物なのだ。

 何かしらの対策が必要なのだ。


 ということで、ちょっとした細工を施しておく。


 。。。

 。。。



「なんかあたしだけ扱いが雑なのです。」


 そう、今回もおそらくは、皆、あの眠気に襲われ、アリエルの魔術も解除されてしまう可能性がある。

 前回は運よくバラバラにはならなかったが、そこで、俺、霞、朱音、そして、アリエルで互いを互いの腰に縄で結んでおいたのだ。

 ただ、、、その、、、あれだ。

 アリエルだけはサイズが小さいので、なんか腰に巻いたというよりも、捕縛した感じになっているが。まぁ、アリエルのことだから気にしないでいいだろ。


「少しは気にするのです。」

「ほら、アリエル。なんか、ほら、アリエルって小さいから、何か可愛い感じが出てるぞ。」

「な、それは、、、ふん、まぁ、元が可愛いから仕方ないのです。」


 こいつ、ちょろいわー。


「そんじゃ、行くか。一応聞いておくが、この先は何が起きるわからないぞ。アリエル、頼むぞ。本当に頼むぞ。」

「任せなさいなのです。」

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