116覗き見る者たち (朱音)
果て、いったいなぜこうなったのでしょうか。
先ほどからの経緯を整理してみようと思います。
先ほどまであたしたちは空の宝物庫にいました。そこで、アイギスさんと妖精さんが激しい口論を繰り広げたのです。
どちらも、「小さい」「小っちゃい」とか言い合ってたのですが、あたしから見れば、どちらも小さくて可愛いです。
あのあと、このままだと食事もできないというので、この暖炉の広間に移動してき食事の時間にしましたが、二人の口論は続いています。
タツヤさんの左手側にはアリエルさん、そして、タツヤさんの右手側にはアイギスさんが、向かい合ってます。
「チビ!」
「チビはそっちじゃ!虫が。」
と、ずーっとこの二人が、言い合うので、タツヤさんは食事が取りずらそうなのです。
「妖精は食事なんて取らなくても大丈夫。」
「最高血種ともあろうものが、欲物なんぞにを手を出すか」
といって、二人は食事をとらずにずーっと口論しています。そして、時間が経過するのでですが、その後も口論は一向に途絶えることなく継続します。まぁ、元気なことですわ。
「チビが!」
「ちびはそっちだ!」
と二人は永遠に言い合うのですが、もう、時間的には夜間。もう、疲れているので、今日はこの場所で寝ようと話をしていたところだったのです。
そして、ついに、タツヤさんが
「うるせい!お前ら!寝れんだろうが!!」
とついにブチ切れたのです。
すると、妖精さんがアイギスさんに何かを耳打ちすると、アイギスさんは、不気味な笑みを浮かべたのです。
そして、妖精さんは、あたしにも耳打ちするのです。
「朱音ッち、ほら、邪魔者は退散するのです。」
『朱音ッち』とは初めて呼ばれたので少しドギマギしちゃいましたよ。でも、はて?邪魔者??というのはどうことでしょう?
とりあえず、妖精さんに言われるがままに、タツヤさんと霞さんを残して、ついてきました。
そして、着いた先は、広間の少し離れた場所。そこに壁があり、妖精さんとアイギスさんは、その壁からこっそり広間の様子を覗き見ています。
「して、虫よ。あの二人は、どこまって行ったのじゃ。」
「ふふふ、バンパイヤよ。随分とはしたないのです。けど、言っておけば、まだ、何もなのです。」
「まだ、何もじゃと!?」
「そうなのです。まだ、青いままなのです。」
「日数も十分にあったはずじゃろうが。」
「そうなのですが、なかなか二人きりになるタイミングはないのです。だから、こうして心優しいあたしたちがこうして場を、、、なのです。」
あっ、なんかわかりました。
確かにあの二人は、なんか怪しいなぁ、とは思ってましたよ。
でも、そういうことだったわけですね。
ただ、いいですか。この二人、さっきまでずーっと喧嘩してましたよね?
それも、ほぼ一日中、ずーっと口論してましたよね?
しかも一人は先日までラビリンスを破壊しまくってましたよね?
何ですか?この変わりよう!
しかも二人は壁から二人の様子を覗き見て、不気味な笑みを浮かべています。
「ふふふ。」「かっかっかっ。」
えっ、なんか、下衆いんですけど。
ということで、今に至ったわけなんです。




