111主なき玉座(タツヤ)
再び、城の城門前までやってきた。
木製の巨大な扉がどっしりと待ち構え、前回来た時からそのままなのだろうか、ちょうど人一人分ほどが通れ程のスペースが出来ている。
そこを通り抜けると、次は古びた階段だ。レッドダイヤの結晶が石材に交じり、ツタで覆われた階段を進んでいく。
その階段は城の中まで続き、大広間へと続く。
前に来たときには、アイギスの魔術で宴が行われ、とても綺麗な大広間であったというのに、再び、ホコリをかぶり、蜘蛛の巣だらけのレッドカーペットが敷かれている。
壁にはあのアイギスの大きく古びた肖像画が飾られている。
「おい、なにやってるんだ。」
ふと、アリエルは肖像画の前までに飛んでは、
「バーカ。」
とほざいていた。小学生か。
さらに、その肖像画に、アイギスがいないことをいいことに、軽く蹴っている。
そんなアリエルは放置しておき、俺たちは歩みを進めていく。そして、さらに歩みを進めると、ホコリと蜘蛛の巣に紛れた玉座が置かれた祭壇に辿り着いた。
もちろん、その玉座には、誰もいない。。。。
玉座の間。以前はここに白骨化した死体があったと思えば、見る見るうちに受肉し、それはあのアイギスとなったのだ。
まぁ、玉座のところに来てはみたものの、ここには用事はないのだ。まぁ、散歩にはちょうどいいだろう。
「ね、アリエルちゃん、宝物庫ってどこ??」
「任せるのです。案内するのです。」
アリエルが先陣を切り、俺たちは誰もいないはずの大広間を出ようとする。
以前、来た時と何も変わっていはいない。前はアイギスがいたせいか、魔術のおかげで明るかった。今は誰もらず、薄暗く、不気味さが漂っている。
バチッ
誰かが落ちている木の枝でも踏んだのだろう。長年時間を経過した城の内部は、このような枝すらたまっていた。
バチッ
。。。?いや、ちょっと待て。
何かがおかしい。
「おい。」
俺は腕を出し、アリエルと霞を制止させる。
バチッ
やはり、おかしい。
誰もいないはずの城に、どこからか響く、枝葉を踏み砕く音。それがとても自然ではないことぐらいはわかっていた。
だが、振り向くいてもそこには誰もいない。はて?やはり気のせいなのだろうか。
「ど、どういうことよ。ま、まさか幽霊じゃないわよね。」
「RGF社の端末でも特に魔獣の反応はありませんね。」
「うん、誰もいないのです。タツヤ。。。まさか、、、、怖いのですか?」
「んなわけ、あるか!」
まったくこれだから、羽虫は。
改めて、耳を澄ますが、先ほで聞こえていた枝を踏み砕く音はもう聞こえていない。やはり、気のせいだったか。
だが、確かに音だけではない。何かしら気配がしたのだがな。
もう一度、玉座を振り返る。
「うん?」
さっと、振り返れば、薄暗闇の中に、ぼわんとした人影がさっと横切った気がしたのだ。
多分、気のせいだろう。。。な。




