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106このブラックな会社にバイバイを(朱音)

 

 言っておきますが、あたしは『元』RGFの超エリートと呼ばれた第一部調査部隊の曹長を務めた者です。

 発砲された銃弾を、銃で狙い撃ちするなど、造作もないことです。

 それぐらいできなければ、仕事がたまる一方です。


「おい、舐めんな。クソ上司!これでも『元』第一調査部隊の曹長です。銃撃などあたしには利きません。」


 まったく、ランク高い者は、みな、魔術を当てにします。それはRGF社の兵士でもあっても同じことです。体術や武器を利用した戦闘方法を厳かにしがちです。


「おい!なんだぁ、その上司に対する反抗的な言葉づかいは!貴様、隊務を放棄してどこへ行く!!貴様には職務を全うとする義務があるのだ!!」


 ほえ面をかいている上司。いつものことであります。

 ですが、もう、あたしには、RGF社で働く理由はなくなりました。

 これまで、どんだけ罵声を浴びせられ、無茶難題の仕事を吹っ掛けられ、24時間どころか、720時間ぶっ通しで徹夜し、死にかけたこともありました。

 でも、それは、あの日、あたしを魅了させた、ベベルゼルドにもう一度会えるかもと思えばこそ、我慢できたこと。

 ですが、もう、我慢の必要はありません。


「あたしは、この組織、RGF社を辞める。」


 あたしは知っているのであります。

 辞めたところで、RGF社はあの手、この手で法律がどうのこうの言っては、引き戻し、洗脳させるのであります。過去に、やめることができた者はいないのであります。


「て、てめぇ、ふざけんじゃねぇ!いいか、てめぇが仕事しないせいで、会社に損害が出てんだよ。てめぇが損害分を補償せいや!!。」


 まだ、上司は、何か言ってきています。もし、武力でどうにもならないなら、どうせ、法律がどうとか、告訴するだとか言ってくるのです。


「てめぇ、そうか、背任罪で告発する!告発されたくなければ、おとなく隊務に戻れぇ!!」


 やっぱり。思った通り。これがRGF社。

 過去に、会社をやめることができた者など皆無。ですが、もし、それがベベルともう一度会うために必要であるというならば、あたしがその最初の第1号になりましょう。


「はぁ。」


 あたしは大きくため息をつくのであります。

 そして、腰に装着した小物入れから銃弾を一発取り出します。

 その銃弾に思いっきり、魔力を込めると、銃弾が淡い光を灯すようになります。その銃弾を小銃に装填します。

 こうして、魔力を込めることで、銃撃の威力を普段の何倍もの高めることができるのです。魔銃と呼ばれるものですね。


「おい、お前ら、もう、いい。規律違反だ。やつを討ち取れ。見事、討ち取ったやつには、休暇を与える!」


 上司は、周りの引きつれてきた兵士に命令を出したようです。


 バンバンバン、ドンドンドン


 あたしを狙って銃撃するもの、魔術で攻撃をしてい来る者など多数いますが、この程度、目で見れば余裕で避けれます。

 この世界にはランクという評価制度があります。あたしは、ランクなど気にはしませんが、RGF社の通常の兵士は、だいたいB~Cランクです。一方、これでもあたしは、Aランクを取得しています。

 ランクなどどうでもいいことなのですが、その差を舐めないでいただきたい。


 パン!


 あたしは、魔力を込めた銃弾をグローリーホールの上空を狙って撃ちました。魔力を込めた銃弾は光の軌跡を描きながら上空を弧を描くように飛翔します。


 ドッッッッカン!


 魔力を込めた銃弾はグローリーホールの上空で大爆発を起こし、眩いほどの閃光、そして、暴風と豪炎が襲います。

 おそらく、この炎が酸素を奪うので、しばらくRGF社の兵士たちは酸欠で動けないでしょう。そして、暴風が視界を遮り、相手の行動を不能にするでしょう。


 その中を瞬時に移動し、RGF社の兵士の中から、『元』上司の正面に立ちます。酸素がなくても息を止めれば問題ありません。視界がなくてもあたしの直感が相手の相手の配置を教えてくれます。

 間髪入れずに、元上司の襟を掴んで壁にたたきつけます。そして、小銃を上司の口の中へと突き立て、そして、笑顔で微笑みかけます。


「今まで、本当に、お世話になりました。これからもお元気で。」


 ついに、RGF社に喧嘩を売ってしまったのであります。

 おそらくはRGF社の全兵力をもってあたしを潰しにかかるのでありましょう。


 上等です。


 ベベルの情報が掴めた今、あたしは、彼に会うことに全力を注ぎます。たとえ、RGF社の全兵力と敵対することになろうとも、あたしは後悔するつもりはないのです。


「それでは、さようなら。」


 あたしは再び元上司の襟を掴んで壁にズドンと叩きつけます。

 あたしは、振り返り、ポカンと口を開けながら、こちらを見ているタツヤたちに話しかけます。


「さぁ、行きましょう。グローリーホールの底へ。」

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