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『腫れ物扱いの先輩が、私には優しい』  作者: もんじゃ
『腫れ物扱いの先輩が、私には優しい』
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第63話


 文化祭当日、うちのクラスは何もしないので部活で参加する奴等は部活に行き、何もやることのない奴等はクラスの中で雑談してるか……俺のように適当にうろつくしかなかった。


 蛍の休憩時間は午後一時かららしいのでそれまで何とか時間を潰したいのだが……


 ……あんまりうろうろしていても怖がられるのが分かっているので図書館の片隅で時間を潰すかと思いつつ……働いている蛍はこっそり見てみたいし、見に来て欲しいと言っていた市井のクラスは行こうかなと思う。


 とりあえず先ずは一年の教室に行って覗いてみたら……なんだろうカオスだった。男子生徒達が……スカートを履いていた。いや、スカートだけじゃなくカツラも被り化粧もして……女装した男子生徒達が接客をする……女装喫茶だった。これは女子達は何も言わなかったのだろうか?


 「イラッシャイマセェェェ」


 ……野太い声に回れ右をして帰ろうかと真剣に考え始めた時に……中に一人だけ女子がいるなと気づいたら向こうも俺に気づいて


 「……あっ、先輩。来てくれたんですね!?」


 俺に近寄ってくる笑顔の女の子は……市井だった。周りの女の子(♂)を見渡し、市井を見る……


 「……うん、市井……良く似合っている、可愛いよ」


 そう言ったら


 「……あ、ありがとうございます」


 と返事し照れて赤くなる。なんで市井だけ女装のクオリティがこんなに高いんだ?そんなことを考えていたら裏から草下部が出てきた。


 「あっ、先輩来てくれたんですか?ほら、紫音可愛いでしょ?」


 そんなことを言うので「これは草下部がお化粧とかしたのか?」って聞いたら「……まぁ、そうですよ」って言う。


 「……それにしてもなんで女装喫茶なんだ?」


 そう聞いたら、男が女装で接客やるか女がメイド服で接客やるかクラスで意見が分かれたから代表を決めて勝負をして決めたらしい。


 「……ちなみに勝負って何だ?」


 「麻雀」


 ちなみに男性が女装派の代表として草下部が出てトップをとったらしい。


 「……ふふ、私に麻雀で挑んだ時点で負けていたのよ」


 どこの雀士だ、こいつは。


 「……それじゃせっかくなんで紫音と記念撮影ですね」


 草下部が無理矢理に俺と市井を並べ「はい、笑って」と写真を撮る。


 「……先輩、笑顔が怖いですよ?」


 放っておいてくれ。


 「……ありがとうございます」


 なんか市井にお礼を言われたが何故だ?


 「……それじゃ、またな」


 そう言って一年の教室を出る、何故か無性に疲れた気がした。


 



 

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