最終回 3/29 ミソギ
最終回です。
3/29(日)
昨日の流れで、課長とドライブに来てしまいました。
デートの定番、海。
もう四月も近いからか、少しだけ風が以前よりも暖かい。
今日は小花柄のワンピースに、マゼンタピンクのカーディガンを羽織ってみた。
パンプスを脱ぐ。
ワンピースのスカートの裾の部分をつまんで、海に足を浸ける。
冷たいけど、すぐに慣れて来た。
「この間の元婚約者にごちゃごちゃ言われてから、その後は大丈夫だったか?」
そう言えばユーイチに色々言われていたのだった。
「まあ、昔好きだった人の悪口はあんまり言いたくないかなって」
そう言って課長に笑いかけてみた。
それに何より、最近はユーイチよりも気になっている人がいる。
課長が、少しだけ言いづらそうに口を開いた。
「引っ越し先は決まったのか?」
「まだです」
「就職先は?」
「まだです」
「あてはあるのか?」
「ないです」
課長の問いかけに、私は即答していった。
何も決まっていない。
「ホテル住まいのハローワーク通いも悪くないかなって」
そう答えたら、課長が私にこう提案してきた。
「よし、それなら良い就職先を俺が教えてやる」
「良い就職先ですか?」
「そうだ、それは――」
※※※
私は、三月三十日に円満に退社の運びとなった。
そして、私は課長が言う良い就職先へと就職する運びとなった?
今は、ハローワークで見つけた事務職員のパートをしながら、彼の部屋で住み込んでいる。
そう良い就職先とは、課長の部屋だったのだ。
どうも彼は、昨年付き合っていた彼女との婚約破棄を経て、一途な女性とやらを探していたらしい。
常々、飲み会なんかでユーイチの話を延々していた私のことを、最初は派手好きな女性だと嫌煙していたようだが、八年近く同じ人と付き合って献身的な女性だと評価が徐々に変わっていったらしい。
誰かと結ばれると言うのはタイミングもあるのだなと私は学習した。
そう言えば、風の噂で元カレのケンジはねずみ講にはまって抜け出せなくなって大変な目にあっているとか聞いた。
そして、元婚約者のユーイチも奥さんで苦労をしているらしい。どうやら、私にこっそり隠れて付き合っている頃には、大人しめな感じだったらしいのだが、どうやら本当はとてつもなく金遣いの荒い女性だったらしく、とても困っているそうだ。
時折、「マドカと結婚しておけばよかった」とぼやいていると、トドロキ君たちから連絡が入る。
私と課長はと言えば、一応海で告白されたのかどうかよく分からなかったが、夏前には結婚することになっていた。
結婚式では課長の友人ミソギさんが挨拶をしてくれるらしい。
本当に良かった。
そして最近の私の洋服を選ぶ心情にも少しだけ変化が訪れていた。
以前は洋服は好きだけど、ユーイチに可愛いと言ってもらえることにばかり主軸をおいていた。
だけど最近は、自分が本当に好きな服だけ選んで着るようになった。
クローゼットの中にある、色とりどりの愛してやまない洋服たちを私は眺める。
「今度は、可愛い奥さんを目指して頑張るぞ~~~~!!」
新たな決意を胸に、今日も朝から洋服を選ぶのだった。
これまで読んでくださった皆様、本当にありがとうございます。
これにてこの話は最終回になります。
最初は一人称の勉強をしたかったのと、いつもはシリアスなファンタジーを書いているで、少し明るい現代の話を書きたいなと思って書き始めました。
作者にOLの経験がなく、架空のOLさんの話になりましけれどいかがでしょうか?
しかしなかなか両極端な話を同時に書くのは骨が折れました。難しい、難しい。
シリアスを書いている方が自分には向いているなと思ったりも……。
良かったら、ブクマや★評価をしてくださるとうれしく思います。
★1でも喜ぶよ。
最後に、下にいつも書いている恋愛濃いめのファンタジーのリンクも掲載していますので、よかったらよろしくお願い致します。




