093⚫️親分の気分次第
「おそろし屋」と看板を掲げてはいるが、
主人は筋金入りのならず者の親分である。
少し離れた宿場には「あまり屋」という大店があり、
その主人スカンクは「自分とこが儲かればいい!」と、
これまでの約定を平然と破り、勝手な振る舞いを続けていた。
ならば・・・
「おそろし屋」を背負うぷーちゃんは、
隣の「浮くらい屋」を乗っ取る算段を始める。
もともと暖簾分けしてもらった「本家の店」だが、
このご時世、一本化したほうが商売敵に対抗しやすい。
しかも「浮くらい屋」は穀物をたんまり抱えている。
少し脅せば、彼の’息の掛かった’手代に差し替えることなど造作もない。
一方の「あまり屋」では・・・
なんだとお! 隣の宿場の「おそろし屋」が「浮くらい屋」で暴れてる?
取引先が多い地域だが、うちが全面に出るのも面倒だ。
組合があるんだし、取引先が自分たちでなんとかしろよな。
あっ、うちも組合員かあ。
ま、ちょっとだけ支えてやるか。
だが、ぷーちゃんがそんな調子なら、
うちだって「べにずえ屋」にちょっかい出してもいいよな?
あそこから、こっそりとうちの宿場に入ってくる「紅」は、やっかいだからな。
ついでに、前から気に食わなかった「いやん屋」も潰してしまえ。
木工職人の店「椅子ら得る工房」と力を合わせて叩けばいける。
「いやん屋」が鉄砲や大砲を持っているかもしれない、という口実でやろう!
迷惑なのは「浮くらい屋」と「いやん屋」である。
突然いちゃもんをつけられ、暴力を受ける。
ならず者の親分たちが、地域を好き勝手に牛耳るのだ。
弱者はいつも悲しい。
だが、抵抗せざるを得ない。
かくして、戦乱の世は今日も続いていく。




