↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
76/84

092⚫️国と国民の関係を時代劇で 「おみつのジレンマ」

薄暗い長屋の隅で、おみつは震える手で空に近い財布を見つめていた。

お父っつあんの酒量は一向に減らない。

「お父っつあん、もう借金はやめてよ・・・」

泣いて言ってみたところで、事態はそう単純ではなかった。

お父っつあんが積み上げた借金は、

彼女が病に倒れた時の薬代でもあり、毎月の家賃であり、

雨漏りする屋根の普請代でもあるのだ。

おみつ自身もまた、その借金がもたらした「温もり」に縋って

今日まで露命を繋いできている。


借金なしでは、明日の暮らしすら立ち行かない。

かといって、このままの生活を続ければ、

いずれ生まれる我が子の代まで積り積もった借金が負の遺産となる。

それは火を見るより明らかだった。

「便利で豊かな今日」を手放す勇気はない。

だが、「絶望の明日」を招く心配も脳裏をかすめる。


手を拱いて、解決のための行動を先送りする「おみつのジレンマ」。

「日々のだらりとした豊かさ」に浸ることは、

重いツケに繋がろうとしていた。

この泥沼から抜け出すためには、

長屋の住人、江戸の八百八町、いや社会全体で、

一体どのような苦痛を分かち合わねばならないのだろうか。


おみつとその父親の現状維持は、取り敢えず続くのである。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。