081⚫️愛称 & 082⚫️なんじゃあ、こりゃあ!
081⚫️愛称
ほっほお!これが参謀司令部から直々に届いた美品かあ。
このシロー・K・ユキムラの黄金の右手を、楽しませてくれるかな?
あれ?えっ?・・・むちゃくちゃシンプルじゃないか。
発射口から撃つだけ・・・?
うわっ、正式名称が長い!こんなの復唱できんぞ。
うーん、もうこっちで勝手に短縮した愛称にしておこう。
おう、アイリ。こいつの名は’エネルギー転送弾’だ。
ブリッジに報告しとかなきゃな。
・・・でも、こいつ、本当に効果あるのかなあ・・・。
082⚫️なんじゃあ、こりゃあ!
「なんだあ?!膨大な二酸化炭素排出源は、コイツかあ?!」
バーバラの叫びが艦橋に反響した。
’ユキカゼ’がスリー・ナイン海域に到達した瞬間、
観測デッキの全センサーが異常値を示し始めた。
海底から立ち上がる巨大な熱源。周期的な地殻振動。周囲の海水組成の急変。
それらのデータが指し示す対象は、プラントでも敵基地でもなかった。
それは、メーテル火山である。
約七万四千年前、
惑星ギャランのマントル深部に蓄積された超臨界相の揮発性物質が
臨界圧を突破し、爆発的脱ガスとともに地殻を破砕した。
噴出物は大気圏上層にまで到達し、推定噴出量はVEI8に相当する。
だがギャラン固有の重力場ゆらぎが噴火の噴出速度を増幅し、
通常の破局噴火とは異なる地殻変動パターンを示したことが、
地質データから明らかになっている。
形成されたメーテル・カルデラは長さ百キロ、幅三十キロ。
現在は赤色海域の海底に沈み、周囲の熱水活動やガス湧出は、
過去の気候変動の残滓として今も観測されている。
噴火後、微粒子は恒星光を散乱・吸収し、
ギャラン全域で急激な寒冷化が発生した。
古遺伝子解析が示す人口の断絶は、
この火山事象が生命史に与えた影響の大きさを裏付けている。
メーテル火山。
それは惑星ギャランの内部エネルギー循環が周期的に示す、
巨大スケールの地質現象である。




