079⚫️あのへん
「くっ、待ち伏せか。よくこれだけ集めたものだな。」
「海上艦が、網の目のように停泊しています。こちらを探知できないでしょうが。」
「いや、アクティブ・ソナーを浴びせられれば、さすがにきついぞ。」
「艦長、どうしますか?」
‘ユキカゼ’の周囲には、敵潜水艦が水中で層を作り、
海上艦は上から蓋をするように広がっていた。
相手の限界深度を超え、ユキカゼは静かに沈む。
だが・・・。
無数のアクティブ・ソナー。
キルパルスの斉射。
超深海へ潜り込むユキカゼの周囲を、爆雷の雨が降りしきる。
水圧に耐えきれず、途中で爆発するものも多いが、
その衝撃波だけでも艦体が震えるほどだった。
「うわっ、至近で破裂! 衝撃波、来ます!!」
‘ユキカゼ’が大きく揺れた。
「リズ総長はこの結果を聞いて、ご満足いただけますかねえ?」
「まあ、言われたとおりにやったからな。情報は確かだと言うか、きっとこのあたり・・・真下を通ったはずだ。」
「でも提督・・・。撃沈の形跡、浮かんでいませんが。」
「んなことは、どうでもいい!!わしらが‘命令どおりやった’というのが肝心なんだ!」
「ですよね。・・あっ、指令を受信です。‘爆雷、全部落とせ’と。」
「えっ? 全部?!うーむ・・・なら、投下だ!!」
「どこへ落とします? 潜水艦隊からも‘黄色い悪魔’はロストしたと。」
「そんなもんは関係ない!投下!投下だ!!あのへん!あのへんに落とせぇぇ!!」
「また、このパターンですかあ・・・。」




