078⚫️CO₂濃度
惑星温暖化を押し上げる最大の要因は、
依然として人間が化石燃料を燃やすことで排出する二酸化炭素である。
特に天然ガスと石炭の増加が目立っている。
新興国のエネルギー需要の拡大はこの傾向を加速させ、
航空需要の増加も排出量を押し上げている。
その結果、大気中のCO₂濃度は急上昇し、
観測史上最大の増加幅を記録するに至った。
しかし温暖化に影響を及ぼすCO₂は、人為起源だけではない。
自然界もまた大量のCO₂を排出している。
植物や土壌の呼吸、微生物による有機物分解、海洋からの放出などは、
自然の炭素循環の一部として常に生じている。
さらに森林火災や火山活動といった偶発的な現象も、大気へのCO₂放出源となる。
NOAA(海洋戦術気候分析庁:Naval Oceanic Analysis Agency)によれば、
強いエルニーニョ現象の発生時には気温上昇と乾燥が進み、
植物の成長が鈍化するとともに土壌分解が加速し、
自然由来のCO₂排出が一時的に増加する傾向があるという。
だが決定的なのは、
人間が排出する量が自然の排出をはるかに上回っていることである。
EPA(環境惑星庁:Environmental Planetary Authority)は、
森林伐採や土地開発がCO₂吸収源を減らし、
むしろ排出源へと転じている現状を指摘している。
自然の炭素循環は長い地球史の中で均衡してきたが、
人間活動はわずか数百年でその均衡を破壊しつつある。
自然の吸収力が追いつかないほどの速度でCO₂が蓄積し、
温暖化が自らを強める悪循環が形成されているのだ。
今日の危機的状況を引き起こしている主因は、
自然由来ではなく、紛れもなく人間の活動である。
その規模と速度は自然の循環機構を凌駕しており、
惑星規模での対応が不可欠となっている。
スリー・ナイン海域で観測された‘異常なCO₂噴出’もまた、
この悪循環の一部なのか、あるいは別の意図を持つ現象なのか。
‘ユキカゼ’は、その真相を確かめに向かっていた。




