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目覚めると吸血鬼少女に  作者: らーめんま
第二章 異世界潜伏編
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第64話:まさかの誘い



「ここは…」


眼を開けると見覚えのある天井、そしてレモン色の髪の毛の少女が心配そうな目でこちらを見ている。

随分と眠いっていたような気がする。

ルナはまだボーッとしている頭で、今なぜベッド寝ているのかを考えていた。


(たしか、アロエに勝った後、ダンにおぶってもらって行ったような……それから先がわからない。たぶん、意識を失ってしまっていたのだろう。)


頭の整理が完了したルナは、ベットから起き上がった。まだ、体のあちこちが痛む。


「よかった! 気が付いたのね。」


「あいたたた…」


ルナが体を起き上がらせた瞬間にレモン色の髪の少女がルナを抱きしめた。だが、その抱きしめの力が少々強かったのか、ルナは痛がった。


「もー、心配したんだからね。」


リシュナは、涙目になりながらルナの無事を喜んでいる。ルナにはそれが素直に嬉しく思えた。


「リシュナ、心配かけてごめん。だけど大丈夫だから。」


「そうだよ!すごい心配したんだよ。ルナに何かあったんじゃないかって。」


「うん…」


「ダン様がルナをおぶって城まで戻って来られたのよ。後でちゃんとお礼を言わなきゃ。」


リシュナの言葉でやはりと確信した。

ダンがおぶってくれて城まで運んできてくれたのだ。


「ねぇ、リシュ…‼︎」


言いかけたルナはリシュナの背後を見て驚いた。なんと後ろには、魔王軍の幹部であるサキュバスが立っていたのだ。


「目が覚めたようじゃな。」


紫色の腰まで伸びた長く艶やかな髪に、世界三大美女でもたじろぎそうなその美貌。豊満な胸を強調するかのような、胸元が大きく開いた漆黒のドレスを着ていた。

そしてどこか見覚えのあるような顔つき………


「何をジロジロ見ておる。男でもあるまいし!」


どうやらルナはジーとサキュバスを見ていたようで、いささかサキュバスの機嫌が悪くなった。


「まぁ良い。今回はルナに用を伝えに来たのじゃ。」


幹部ということで、言葉遣いを気をつけながらルナは話した。


「わたくしに何用でござるかな?」


「いささか、奇妙な話し方だがまぁ良い。ルナ、お前に明日開かれる異世界侵略計画会議に加わって欲しいのじゃ。」


「こっちの世界で異世界って…まさか⁉︎」


「何を驚いているのかはわからぬが、妾がその侵略計画の指揮兼責任者となっておる。その会議にお前を誘っているのじゃぞ?」


「も、もちろん参加させてもらいます!」


「よい。ならば明日、妾がお前を呼びに来てやるので待っておれ。」


そう言い終えると、サキュバスは颯爽と立ち去っていった。


幹部がなぜ、ルナを参加させようとしたのかと不思議に思い、小首をかしげた。


「なんで、わざわざ俺のところへ…」


「ルナ、まだその男言葉治ってないんだね。」


独り言のつもりが、リシュナに聞こえていたらしく、ルナは少し驚いた。


「あのね、ルナ。サキュバス様がなぜ来たのかっていうと、それはあなたがあの殺し屋アロエを倒したからなのよ。」


「あ、そうなの!」


どうやらアロエはルナの想像した以上に有名な殺し屋だったらしい。そうでなければ、直接幹部が来たりしないだろう。


ラッキーなことにルナにとっては好都合だ。これで容易に情報を聞き出すことができる。

こうなれば、アロエ様様だ。少しはアロエに感謝しなければならない。


「ルナ、良かったね! 大出世じゃん‼︎」


「ありがとう。」


ルナはこうしてはいられないとベッドから出ようとしたが、リシュナに止められた。


「ダメ、まだ傷も治ってないんだし、明日に備えておとなしくしてなきゃ。」


「えー、でもさぁー」


「頬を膨らませて拗ねてみたってダメ!」


「お願いだよ! ほら、お風呂とか入らないといけないし」


「傷がまだあるからお風呂は無理、染みるよ。その代わりに私がお湯で濡らしたタオルで拭いてあげるから。」


「えぇ!………じゃあ、ほら、食堂にご飯食べに行くから‼︎」


「それも心配ないわ。私が部屋のキッチンで体に優しい料理作って、あーんって食べさせてあげるから!」


「うぅ……」


ルナの考えた抜け出す理由はすべて不発。


それよりも、今、問題発言が二つほどあったのにルナは気づいた。


「ちょっと待って! さっきなんて答えた?」


「だから、寝てなきゃいけないルナの体をタオルで拭いてあげて、食事もあーんして食べさせてあげるって言ったけど?」


「そ、そんな恥ずかしいこと出来るかー‼︎」


「そんなこと言われても…現に布団から体を起こすくらいはできても歩けないはずよ。それならそうするしかないでしょ?」


「分かったよ。いいよ好きにして‼︎」


「よーし、任せて!」


しぶしぶ了承したルナをよそ目に、リシュナは張り切っていた。






◇翌日◇

「ルナ、起きて!」


リシュナがルナを揺すって起こした。


「う〜ん…まだ眠いなぁ」


「早くしないと、サキュバス様待たせちゃうよ!」


「そうだった‼︎」


リシュナの一言でルナは跳ね起きた。床に立ってみるが体は痛まない。


「良かった。どうやら薬が寝てる間に効いたみたいね。」


リシュナは一安心すると、せっせとルナの着替えを持ってきて、着替えさせた。


「ほら、早く着替えて」


「わかってるよ」




◇それから10分後◇

「お待たせしてしまい、申し訳ありません。」


ペコペコ頭を下げながら部屋から出てきたルナ。サキュバスは特に怒った様子はない。


「別によいのじゃ。妾は待ってなどおらぬしな。」


「え? でも、リシュナは待たせちゃうよって…」


「それはそやつが、お前を遅れさせないよう、早めに用意をさせたのではないか?」


ルナはサキュバスの言葉で初めて気づくことができた。


(起こしてくれるだけでもありがたいのに、遅れないように早めに起こしてくるなんてリシュナは女神のようだぁー)


リシュナに対して感謝しているうちにどうやら目的地に着いたようで、サキュバスが止まった。


「ここじゃ」


「は、はい…」


扉には警護が付いており、サキュバスにペコペコしながら、急いで扉を開けた。どこの世界でも下の者は上司にペコペコしなければならないようだ。

扉の先には大きな円卓があり、そこにはすでに大勢の魔物たちが着席していた。ルナはサキュバスに促されるまま、サキュバスの隣の席に腰掛けた。


ルナたちが座ったのを見ると、正面に座っている1人の魔物が口を開いた。


「では、これから異世界侵略計画会議を始めます!」


かくして、会議は始まったのだった。





次回は来週日曜投稿予定。

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