第25話:お化け屋敷
少し間が空いてすみません。
マサキが戻ってきた。手には、ポップコーンやジュース、クレープなどたくさんの食べ物を抱えている。
「そんなに買ってこなくていいのに」とルナは言ったが、マサキは付き合っているフリでもどうせだったら楽しもうぜ!と笑顔で言って、ルナにジュースやクレープを渡した。
ルナはマサキの笑顔が少し心に引っかかった。
まずは、ジェットコースターに乗ろうということになり、マサキとジェットコースターの順番待ちをしていた。その間も後ろにすごい視線を感じたが向かないようにしていた。
ジェットコースターは人気のアトラクションだったため、数十分並んでやっと乗れることになった。
ルナもマサキもジェットコースターは苦手ではないので、楽しんでいる範囲での叫び声や、ジェットコースターが下る時には手をあげてキャーと叫ぶなどはしていたが、明らかに後ろの席からは何も聞こえず、おかしいとルナは思い、振り向いてみると凛がルナを瞬きもせずに見ている。ルナは慌てて、前に向き直った。
次にお化け屋敷に行くことになったのだが、もう凛の姿は見えなくなっており、ルナは少し安心していた。マサキも「もう、ついてこなくなったな。」とルナに言った。
このお化け屋敷にはカップルが最後まで手をつないでいくことが出来れば、2人は結ばれるなどという話があり、ルナはマサキとはあくまでもウソでカップルを装っているので、手をつなごうとは思わなかったがマサキが「別にいいだろ。せっかくフリをしてんだからつないで見ようよ。」と言うのでつないで進んでいくことにした。
だが、ここに罠は仕掛けられていた。凛はその噂を知っていたので、ここで2人の手を離させれば2人は別れると思い、先に潜入していたのだ。
一方、ルナたちの方は着々とお化け屋敷の中を進んでいた。実はルナはマサキには黙っていたが、おばけ系は苦手だった。マサキもそれは知らなかったが、手をつないでいるだけあって、ルナが震えているのには気がついていた。なのでマサキは「ルナ、もしかしておばけ系は苦手だったか?」と聞いてみるがルナは「違う。」と言い張り認めなかった。
その時‼︎
マサキの叫び声がお化け屋敷中にこだました。ルナとマサキの手も離れ、マサキは突然その場から消えてしまった。
一人になってしまったルナは、それまではマサキがいたのでどうにか怖いのを我慢してきたが一人になってしまい、凄まじい恐怖感に襲われていた。
そんな状態のルナにお化けたちは容赦なく襲いかかる。墓から、井戸から、木陰から...
その頃、凛は笑みを浮かべていた。作戦が成功したのだ。実はさっきのマサキが消えた理由は凛が掘った穴のせいだったのだ。
一方、マサキは穴からようやく出て、ルナを探すために走り出した。幸い、ルナの叫び声がずっと聞こえるため場所は分かる。マサキは思った。それにしてもなぜ、まものは平気なのにおばけは苦手なのだろうと...
ルナがお化け達から必死ににげていると、大丈夫か?るなー!言うマサキの声が聞こえた。その方向を見ると、マサキがいた。
ルナは目に涙を浮かべ、「怖かったよー」とマサキに抱きついた。ルナはマサキの暖かさを感じ、今までの怖い思いから解放され、ホッとし、安堵の涙が流れてきた。
次回は世界一巨大で行方不明者も出るという迷路にいきます。あいからわず凛に付けねらわれるルナですが、この迷路の行方不明の事件にはあれが関係していた?




