探偵、強い
「よし」
猛が小さく呟く。ハリセンを片手に飛び立つ。
「grrrrrrr……aaaaa!!」
天までそびえ立つ尻尾が唸りをあげて猛を襲うが、猛はハリセン一本でそれを止めてみせる。
「邪牙重!!」
振り下ろされたハリセンから放たれる超重力波。
デーモニアはあまりの威力に、地に足をつける。
臓物が軋み、骨の何本かがイカれたようだが、それも圧倒的な魔力で即座に回復する。
戦いは五分五分に見えた。
しかし、こちらは猛だけが戦っているわけではない。
強力な軍隊が全力でデーモニアの動きを封じようとしているのだ。
動きが止まることはないが、明らかに鈍くなっている。
2合3合、と打ち合ううちに、猛の攻撃がだんだんとデーモニアの回復魔法を上回っていく。
「g,grr……」
まさか悪魔合体まで果たした自分たちをここまで追い詰める人間がいようとは、思いもよらなかった。
デーモニアは賭けに出た。
すべての魔力を口に集め、凝縮。それを発射し、この場はを焼き払う作戦に出たのだ。
「あんなの防げるわけが……っ!」
ミネアが絶望する。
「猛なら大丈夫」
この場でクレアだけが、猛を信じていた。
「ノヴァ」
放たれた業火はさながら超新星爆発のような破壊力を持っていた。
それが威力を周りに放射することなく、猛一人に絞られている。
まともにあたれば、南米一帯は死の大地と化すだろう。
「全てを吸い込め! 吸懇!!」
敵の魔法や法術などをその身に吸収する技だ。
常人がこれを使えば、下手をすれば巨大な魔力を吸い込みきれず、自壊してしまうが猛は違う。
デーモニアの魔力を吸収しても余りあるほどの器がある。
「返すぜ」
かが巳の神力、デーモニアから吸収した魔力をハリセンに宿し、必勝の技を繰り出す。
「勝苛烈!!」
「ば、馬鹿……な……! この私がっ……!!」
魔力も尽き、なす術もないまま、デーモニアは猛の前に敗れ去った。




