探偵、大団円を迎える
恐らく人魔大戦後、5本の指には入ろうかという大戦闘を終えた猛たちは、軍の司令部にて報告や聞き取りなどに追われていた。
「………………」
ムスッとしたまま猛の目も見ようとしないのは美月だった。
猛に置いていかれたことを根に持っているらしかった。
「だから、美月の手には余ると判断して……」
何度も同じことを繰り返す猛。
「わかってますけど……」
頭では分かっていても、感情的に納得できてない様子だ。
あれからデーモニアのメンバー全てが逮捕され、南米を中心に世界で暗躍していた巨大組織は瓦解した。
その偉業にもっとも貢献したとして、猛を表彰しようと言う話も出たが、猛はそれを固辞した。
そんなものでも受けとったら、探偵の業務に支障が出る。
「俺は裏方でいいんだよ」
決して大舞台に立とうとせず、ミカガミ町の平和を守りつつ、たまに大事件を解決する。
そんな暮らしが猛にはお似合いだった。
そして美月にも。
「あしたは……。日本各地に軍手を片方だけ落とす仕事だ」
「え、あれ仕事だったんですか?」
美月が驚愕の声をあげる。
「他にも摩訶不思議な仕事は沢山あるんだ」
「私は絶対やりたくないです……」
美月は明日は私設警察の射撃訓練のコーチという、これまたカッコいい仕事が入っていた。
「理不尽だ」
猛は言うが、その顔には笑顔があった。
やっと日常にもどれる。
それは二人にとっては、かけがえのない幸せだった。




