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人魔探偵  作者: 葛葉龍玄
デーモニア

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57/59

探偵、切り札を使う

 猛の魂には海がある。

 そこは普段、僅かな退魔力があるだけでほぼ干上がっている。

 しかし、その器は星ほど広い。

 そこにはある力がなだれ込む。

『白蛇の魔神・かが巳』

 神としての(しょう)、それは神としての生まれ持った性質のことだ。

 その神だけが起こせる奇跡。

『かが巳』の性は「自身の町を守るためなら絶対に負けない」というもの。

 つまり、ミカガミ町に限られている。

 しかし一つ例外があった。それは、神と契約を結んだ猛の存在だ。

 猛の干上がった魂の海に、かが巳の神力を注ぐのである。

 そして、猛にもかが巳の性が乗り移る。

 そうするも性質は少し変化する。

「猛が守ろうとするものの敵、全てに負けない」

 それは変えようのない性質となる。

 つまり今、猛はこの魔界をデーモニアから守りたいと強く願い、かが巳の神力を授かった。

 だから、猛はデーモニアに絶対に負けない(・・・・・・・)のである。

「そんなの、人間の持つ力を超えてるわよ!」

 ミネアが叫ぶ。

「だから少し時間がかかるの! 少しでも時間を稼ぎなさい!」

 二人が、南米中にいた軍隊が、賢明にデーモニアを抑えようと魔法陣で結界を張る。

 流石にデーモニアを脅威と見た、他の施設の研究員でさえ、デーモニアを敵とみなした。

|(早く……)

 猛は己の魂の海に神力が満ちるのを静かに待った。


「八卦三十式龍屠殺掌!!」

 ミネアの必殺の一撃も、天まで届かんとする巨大な悪魔には痛痒にもならない。

 クレアは敵の爪を端から切り落とす。 

「grrrrrrr……。ムダだ、ムダムダァっ!!」

 足を軽く持ち上げ、ただ足踏みをするだけ。

 それだけで100の命が失われる。

「なんて化け物っ!!」

 事態を重く見た軍から、すぐに駆け付け、結界を強固にしていく。

「この程度で、我を拘束した気になっておるのか?」

 一個師団が五つ。人数にして8万もの超一流の魔力を持った軍人たちの多重結界。

 それすらものともせず、暴れる回る。

 誰かがポツリと呟いた。

「この世の終わりだ……」




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