探偵、切り札を使う
猛の魂には海がある。
そこは普段、僅かな退魔力があるだけでほぼ干上がっている。
しかし、その器は星ほど広い。
そこにはある力がなだれ込む。
『白蛇の魔神・かが巳』
神としての性、それは神としての生まれ持った性質のことだ。
その神だけが起こせる奇跡。
『かが巳』の性は「自身の町を守るためなら絶対に負けない」というもの。
つまり、ミカガミ町に限られている。
しかし一つ例外があった。それは、神と契約を結んだ猛の存在だ。
猛の干上がった魂の海に、かが巳の神力を注ぐのである。
そして、猛にもかが巳の性が乗り移る。
そうするも性質は少し変化する。
「猛が守ろうとするものの敵、全てに負けない」
それは変えようのない性質となる。
つまり今、猛はこの魔界をデーモニアから守りたいと強く願い、かが巳の神力を授かった。
だから、猛はデーモニアに絶対に負けないのである。
「そんなの、人間の持つ力を超えてるわよ!」
ミネアが叫ぶ。
「だから少し時間がかかるの! 少しでも時間を稼ぎなさい!」
二人が、南米中にいた軍隊が、賢明にデーモニアを抑えようと魔法陣で結界を張る。
流石にデーモニアを脅威と見た、他の施設の研究員でさえ、デーモニアを敵とみなした。
|(早く……)
猛は己の魂の海に神力が満ちるのを静かに待った。
「八卦三十式龍屠殺掌!!」
ミネアの必殺の一撃も、天まで届かんとする巨大な悪魔には痛痒にもならない。
クレアは敵の爪を端から切り落とす。
「grrrrrrr……。ムダだ、ムダムダァっ!!」
足を軽く持ち上げ、ただ足踏みをするだけ。
それだけで100の命が失われる。
「なんて化け物っ!!」
事態を重く見た軍から、すぐに駆け付け、結界を強固にしていく。
「この程度で、我を拘束した気になっておるのか?」
一個師団が五つ。人数にして8万もの超一流の魔力を持った軍人たちの多重結界。
それすらものともせず、暴れる回る。
誰かがポツリと呟いた。
「この世の終わりだ……」




