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人魔探偵  作者: 葛葉龍玄
デーモニア

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52/59

探偵、バレる

 猛は事の仔細を大総統に報告する。

「しかし、あれだけの量のトカロフがいきなり、しかもこの短期間で悪魔のテーブルを登って帰って来られるものなのか?」

 大総統マルコキアスは疑問に思った。

「それについては私たちでもわからず……」

 他の職員もその懸念は抱いていたが、誰も猛の仕業とはわからなかった。

 しかも当の猛は見た目も記憶も人格も、全てこの職員と同化している。

 バレるはずがない。

 そう思っていた。

「貴様、なにか匂うな。これは魔力ではなく、退魔力ではないのか?」

 バレた。

 猛は煙幕弾を張ると、その場を後にした。

「ちっ。この本拠地まで敵の侵入を許すとは……」

 自分の部下ながら情けなくはあるが、侵入者がいることは間違いない。

 ただ捕まえて殺すだけだ。

 マルコキアスは簡単な狩りだと思っていた。

 

 一方猛は大総統には見つかりこそしたものの、ほかの職員には正体はバレていない。

 一度施設から離れ、体勢を整える。

 檻護には数え切れないほどの呪符や食料、さらにはテントまで入っている。

 1年でもこの地に留まる事ができるだろう。

 猛は援軍が来るまでの間、施設に侵入を繰り返し、本拠地のマッピングを始めた。

 

「なぜだ! なぜ侵入者を捕まえられん!」

 猛を捕まえるために編成された部隊は、中々猛が捕まらないことに苛立っていた。

 猛が侵入したと知らされてから、すでに一週間が経過していた。

 その間に猛は、敵の配置や巡回経路などを頭に叩き込み、ミネアに逐一報告していた。

 似者(にもの)で化けた猛を見つけることはほぼ不可能。

 首領であるマルコキアスが特別なのだ。

「さて、報告もしっかりしないとな。我無(ガム)

 この技は自らが放つ式神や呪符を誰にも悟られないようにする技だ。

 そうこうしているうちに、ミネアはクレアと合流して、ほぼ登頂を終えていた。

「まったく。なんで私まで……」

 急に呼び出され、部隊まで連れ出されたクレアはぶつくさ言っていたが、なんだかんだ暇なので、意外と乗り気である。

 敵対する魔獣を狩りながら、ミネアが答える。

「悪の大組織ぶっ潰せるんだから、文句言わない!」

 そして二人は猛との待ち合わせ場所に急いだ。

 





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