探偵、侵入する
天井に這うように張り巡らされた通風口を匍匐前進で進む。
この施設の職員には、人間も魔物もいた。
一体何のためにこんな秘境で、キメラの研究などしているのだろうか?
パソコンのある部屋へたどり着くと、辺りに人がいないことを確認して降り立つ。
「さて、なにがでるかな?」
なにが出るにしろ、鬼か蛇しか出て来ないだろう。
パソコンは案の定、外部とは繋がっておらず、建物内部で完全に孤立していた。
その中から機密事項がありそうなパソコンにハッキングして、資料を読み漁る。
「西暦の時代から、クローンはタブー扱いされてきたが、人魔歴になってもそれは変わらない」
それどころか、魔物たちと出会い、霊的に進化した人間は魂の存在すら証明させた。
遺伝子操作と同じように魂操作の技術も確率されてはいたが、世界的にはタブーとなっている。
「しかしこの施設ではそれを行っている……」
一体どこの機関がやっているのか。
軍が出張って来たところを見ると、国絡み。しかも人間と魔物の研究者がいる。
「これは相当の秘密に辿り着ちまったな……」
トカロフを狩るところから、トカロフを故郷に連れて行く、さらには人間界と魔界、両界の禁忌に触れてしまったことになる。
ミネアはまだ悪魔のテーブルを攻略していた。
「あの男はどうやってこんな山をあの短時間で攻略したの!?」
式神の情報からすると約2日で登頂している。
しかもなんの装備も無しに、だ。
しっかりと準備をして、それでも森を抜けるのに5日を費やしたミネアは焦っていた。
軍への要請も出した。あの施設が明るみに出てしまう。
それだけはなんとしても避けたかった。
軍の一個師団をあげてあそこまで追い詰めたのだ。
ここで氷山の一角を倒したとしても、本体に逃げられてはなんの意味もない。
あの猛がはやまったことに出なければいいが……。
デーモニアと名乗る犯罪組織。
その犯罪組織を追うのがミネアたちの隊の役目だった。
人間と魔物からなる巨大な組織は、禁忌と呼べる魂と遺伝子操作を行い、新たな生物兵器を作ろうとしている。
その一つが今回の悪魔のテーブルにある施設だ。
この施設が軍にマークされていると露見してしまえば、本体のデーモニアを警戒させ、闇に潜られてしまう可能性が高い。
それだけは防ぎたかった。




