探偵、悪魔のテーブルへ
魔獣の助けもあり、3日で森林を抜けた猛の目の前には悪魔のテーブルと呼ばれる高さ5000m級の断崖絶壁が広がっていた。
ただの山ではない。
正に岩の柱のような形状なのだ。
普通や人間や魔物は回り道をして、なんとか歩くなり、ハーケンを打ち込むなりして登って行くが、今の猛にそんな装備はない。
命綱なしのロッククライミングだ。
「行けるかなぁ」
さすがに不安になってきたが、やるしかない。
手で岩を掴み、足で体を押し上げる。
身体能力は退魔力を用いればトップアスリート以上の力を発揮できる。
呪符で気温や気圧の対策をする。
小気味いいリズムで登っていると、上空から迫る気配を察知した。
トリバード。
この生物もこの悪魔のテーブルにしか生存していないとされる幻の魔獣だ。
トリバードは少し警戒しているが、攻撃してくることはない。
猛が普通の鳥語|(?)で話しかけると、片言だが話しが通じた。
どうやらこの先に前に登った人たちが作った休憩所があるらしいのだが、そこがトリバードたちの巣になっているらしい。
猛は頼み込んで、そこで休憩させてもらうことにした。
そのころミネアはまだ森の中を彷徨っていた。
猛が仕掛けた紋様型の魔術にハマっているのだ。
この魔術は見ただけで脳に直接作用し、幻覚や撹乱をさせることができる。
猛がゲリラ戦を用いるときによく使う術で、単純ながら絶大な効果を発揮する。
「これで3度目……」
紋様型魔術により方向感覚を失ったミネアは同じ所をグルグルと回っていた。
侮っていた。
このジャングルの複雑さも、猛のことも。
さらには獰猛な魔獣も数多く生息していた。
魔獣には負けないにしても、殺さずに倒すというのが以外と骨が折れた。
こうしてしばらくはこの森で立ち往生を食らうのだった。




