探偵、新たなる技
猛は1人山の中に入ると、トカロフたちを片っ端から呪符に封じて行く。
「魔より我等、彼等を守り給え。『檻護!』」
この呪符は一時的に人も魔物も物販も収容できる。
その際、呪符がダメージを受けなければ中身もダメージをうけない優れもので、猛自身も雑務の仕事ではよく使っている。
「よし」
山にいるトカロフの気配はもうない。
ミネアは退治すると言っていたが、山に帰せるならそれが一番だ。
が、敵もそうはさせてくれない。
「貴方がクレアの言っていた人魔探偵とやらね」
ミネアは軍隊を引き連れず、1人で猛の元にやってきた。
「確かに面白い術が使えるみたいなだけど、私はそう簡単にはやられないわよ」
その目は冷徹そのものだ。
「我、汝に命令する! 『強制じゃんけん! あっち向いてホイ』!!」
その名の通り、相手に強制的にあっち向いてホイを仕掛ける技だ。しかも、必ず猛が勝つ仕組みになっている。
猛より格下か、完全に油断してる相手にしか効かないが、ミネアは猛を舐め腐っているため、効果は絶大だった。
「あっ!!」
あっち向いてホイで強制的に上を向かされたミネアが猛のいた所に目を向けると、そこには誰もいなかった。
「む、ムカつくーっ!!」
悪魔のテーブルと呼ばれる秘境。
この秘境に辿り着いた探検隊は片手で数えられるほどしかおらず、そこに住む生物や自生している植物は今だに謎が多い。
今から猛はそんな場所にほぼ無装備で挑まなければならない。
|(しかし、なんだって魔界軍はそこまでしてトカロフを倒したかったんだ?)
猛が抱き続けている疑問。
然るべき機関で飼育し、研究する方が有意義ではないのか?
あとは置いてきた美月が色々心配だが、この件に手を出したのは猛1人ということになるのでお咎めはないだろう。
まずは森林踏破。
もちろん野生の魔獣や動物に襲われる危険もある。何よりその暑さと湿度の高さが体力を奪う。
|(俺の手には何がある?)
猛がいつも気をつけていること。
自分の持つ手札の確認だ。
これから、人外魔境に分け入る。




