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人魔探偵  作者: 葛葉龍玄
魔界の女子校

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42/59

探偵助手、無事解決へ

 まずはクルルとカテナの足止め。

 美月はまず上空に閃光魔法を放つ。

「きゃっ!」

「がぁ!?」

 怯んだ二人めがけて土蜘蛛の糸を投げつけ、完全にその動きを止める。

「美月、よくも!!」

 オーガ族として、類稀なる怪力に恵まれたクルルですら歯が立たず、暴れれば暴れるほど絡まり、強固になっていく糸だ。

 それはカテナも一緒だ。

 そして。

 猛もよく使うあの技(・・・)

 両手に魔力を込め、カテナに立ち向かう。


「助けなくていいのか?」

 常世高等学校の入口にいる田所と猛。

 猛は必要ないと言ったのだが、田所がどうしても、というので様子を身に来たのだ。

「美月なら大丈夫さ」

 普段から真面目で、猛の教える技もどんどん吸収していく努力家の美月だ。

 この窮地に立たされても、自力でなんとかする。

 猛にはその確信があった。

「いくらなんでもスパルタ過ぎやしないか?」

「田所のオッサンが過保護すぎるだけだ」

 そういう猛の足も、直ぐに美月の助けに入れるように準備されていた。

 猛も思う。

 この状況を打破できるのはあの技しかない。

 かなり難しい技だが、美月ならできる。

 そう信じて見守るのだった。


 左手を肉体に添え、さらに肉体から魂を抜き出す。

 そして引き抜いた魂の、カテナとキメラの部分を右手で断ち切る。

「魂魄空裂斬魂魄空裂斬(こんぱくくうれつざん)!!」

 見事。

 カテナの魂はキメラの魂と綺麗に切り裂かれ、キメラの魂は消滅した。

 もしミリでもズレていたら、カテナの魂すらこの世に残ってないだろう。

 高難易度の技と技術を持って、カテナを呪いから救い出したのだった。

 

「カテナ? カテナっ!!」

 元の姿はドラゴニュートだった。

 キメラという醜い姿にされてしまい、動物や魔物の魔力を貪らないと生きていけない化け物から、元の優しいカテナが戻ってきたのだ。

「クルル……か? 俺は……」

「カテナっ! 正気にもどったのね!!」

「あぁ、だいぶ悪い夢をみていたかのようだった。俺は本当に助かったのか?」

「そう、そうだよ! 美月が助けてくれたの!!」

 土蜘蛛の糸を解除され、動けるようになった二人はきつく抱き合う。

 美月は肩で息をしながら、その光景を微笑みながら見守るのだった。


 いつもの探偵事務所のいつもの所長室。

 何事も無かったかのように猛が座っている。

「ただいま戻りました」

 美月が報告書を持って入ってくる。

「おう、お疲れ様」

 エロ本を読みながら答える。

「今回はよくやったな」

 猛が美月の頭を撫でる。

「セクハラですよ!」

 といいつ、その顔は嬉しそうに綻んでいた。

「でもなぁ」

 と猛が抗議の声をあげる。

「なんだよ、この『魂魄空裂斬』ってのは! 違うだろ、『左抜右断(さぬきうどん)』だろ! かが巳様にもそう教わらなかったか!?」

 ツッコミどころはそこかよ。

「私はこの技は、魂魄空裂斬だってかが巳様に教えてもらいましたよ」

 済ました顔で受け流す。

「なんでだ!?」

「なんでも、猛さんの技名はそういうのの方が面白いから、ですって」

 コロコロと笑いながら美月が答える。

「俺もそんなカッコいい名前の技を使いたいぞ!」

「あははっ! 猛さんにはお似合いですよ!」

「うるさい! ちくしょう……」


 その後、クルルとカテナは改めて婚約者として付き合い、卒業後は誰もが羨むような見事な結婚式をあげたというが、それはまた別のお話し……。


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