探偵助手、質問攻めにあう
「はじめまして。しばらくこの「常世高等学校」に通うことになった、高岡美月です。よろしくお願いします」
ぺこり、と頭を下げる。
人間界の少し気になる偏見の目も、魔界では気にならない。
1時間目の授業が終わると、あっと言う間に美月の周りに人集りができた
「普段は人間界の学校に通ってるんだって?」
「しかも探偵の助手とかすごい!」
「魔界でも人間と魔物のハーフはあまり見ないよ」
といった感じで質問攻めにあっていた。
「あはは……」
苦笑いしつつもクルルへの気配りは欠かさない。
何があってもいいように動ける準備はできている。
しかし、ここまでのボディガードというのは美月もはじめてだ。
猛に渡されたお守りを握りしめ、大役を必ず果たす、と誓う。
「大変だったね」
質問攻めにあって大変な思いをして、ぐったりしてる美月を、クルルは楽しそうに見ていた。
「笑い事じゃないですよ〜」
昼ごはんを食べながら、クルルに話を聞く。
「それで、その婚約者にはどんな嫌がらせをうけているんですか?」
「式神で見張られるのは日常茶飯事。他にも脅迫状めいたものを送られたり、一度は襲われそうになったよ」
返り討ちにしてやったけどね、と自慢気に力こぶをみせてくる。
「って言っても、やっぱり家同士のこともあるから振り払うくらいが関の山だけどね……」
対立は避けたい。そのために、オーグル家としては公に動けない。
「しかも、婚約者が複数人いるから、誰が嫌がらせしてるのか検討もつかないの」
そのジレンマと恐怖があるのだろう。
「大丈夫ですよ。私がなんとかしますから」
決して安請け合いはしない。が、彼女を安心させるのも仕事だ。
それ以上に、困った人を助けたい、という気持ちの方が勝っていた。
数日。
クルルの屋敷で寝泊まりさせてもらっているが、嫌がらせは確かに過激だった。
動物の死骸が投げ込まれ、毎日大量の手紙が届く。
お守りがあるためか、式神やストーカー行為はなくなったが、依然犯人はわからない。
犯人がわからなければ根本的な解決にもならない。
そこで美月はもっと大胆にクルルを守ることにした。
そうすることによって、目標を邪魔者である美月にむけさせる作戦だ。




