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人魔探偵  作者: 葛葉龍玄
異世界ダンジョン

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34/59

探偵、仲間割れをする


 猛は違和感を感じていた。

 普通、ダンジョンというものは深い階層に行けば行くほど魔物が強くなるはずだ。

 しかしこのダンジョンでは逆に魔物が弱くなってる気がする。

 それどころか、猛たちを避けて上層階に向かおうとしているようにさえ感じる。

「なにか様子がおかしいです。ここは一回避難したほうが……」

 しかし株式会社妖怪の面々は明らかに顔をしかめる。

 今まで外様の猛の指示で動き、自尊心を傷つけられていた上に帰るとは。

「篝さん、勘違いしないで下さい。アナタはあくまで私たちの助手だ。進退を決めるのは我々であってアナタではない」

 キッパリと強い口調で言い放った。

 そこまで言われては猛は仕事上文句は言えない。

 ただ用心することに、越したことはない。

 3人には気付かれずに、猛は何があってもいいように周到に準備をした。

 やはり敵の多くは底から地上を目指しているようだ。

 そして。

「この先に何かいる!」

 1人が叫んだ時にはもう手遅れだった。

 その身体は一瞬にして石化する。

「メデューサか、ゴーゴンか……」

 メデューサは基本一体しかいないが、ゴーゴンは姉妹で行動することが多い。

|(これが三番隊が出張った理由か)

「そんな! こんな楽なダンジョンに上位の魔物がいるなんて!」

 本山が叫ぶ。

 それもそのはず。

 強い魔物は片っ端から石にされているのだ。

 今まで出会ったのは逃げて来た雑魚に過ぎない。

「我願い請うは八百万の神々の力。今ここに在りし姿を取り戻せ!」

 状態異常を回復する呪符を放つが、猛の退魔力で解呪することは不可能だった。

|(せめて石化する前なら……!)

 残る自分と本山とマウンテンには石化が効かないようにする術を施すことができた。

 そして姿を現したのは、ゴーゴン。しかも5体もいる。

「じ、冗談じゃない! こんな強敵相手にできるか!」

 本山が逃げ出す。

 唯一の術師が逃げ出し、残ったのは猛とマウンテンのみ。

「我願い請うは……!」

 猛は退魔力が低いため、どうしても術を使うときに詠唱が必要になる。

 その遅さが致命的だ。

「くそっ!」

 マウンテンが飛びかかるも、その武器が石化されすぐに破壊されてしまう。

 視線だけでも厄介なのに、触れても石化する。

 術がない今、素手に退魔力を込め戦うスタイルしか取れない猛は完全に詰んでいた。

|(せめて一呼吸隙を作れれば……)

 しかしその隙を作る暇を与えないゴーゴン姉妹の攻撃を躱すことしかできなかった。

「どいてろ。邪魔だ」

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