探偵、不協和音を感じる
「首尾は上々ですよ。4人を身動取れないようにできました」
「おぉ、ありがとうございます! しかし、土御門の三番隊ですか……。このダンジョンの奥にはそんな重大な何があるのでしょうか?」
「……。とにかく先に進むしかないですね」
山本、本山、マウンテン・ブックのと共に洞窟の最奥を目指す。
ゆっくりと傾斜がキツくなり、さらに下に進んでるのがわかる。
そして一際大きな部屋に出ると。
そこは魔物の巣窟だった。
話しが通じる種族はおらず、お世辞にも有効的とは言えない態度。
「これは戦闘にですかね……」
山本がショートソードを構え、本山が呪符を取り出し魔法をいつでも使えるように準備をした。
マウンテンは本山を守るように周囲に気を配っている。
「行くぞ!」
猛の号令と共にそれぞれが動き出す。
四方を囲まれない様に注意しながら、前線で戦う猛と山本。
「重量牙よ、敵を押し潰せ!『邪牙重邪牙重』!」
敵数匹をまとめて巻き込み、重力波が牙をむく。
「すごい。これなら!」
山本の前に、岩の巨人が立ちはだかる。
「山本さん、これを!」
猛は背負った武器袋からハンマーを取り出し、山本に渡す。
山本のショートソードでは相性が悪い。
こういう時のために猛は複数の武器を用意していた。
「!?」
猛の死角から敵が飛び出す。
しかし、本山の魔法がそれを許さない。
放たれた炎の槍は確実に敵の急所を貫いていた。
それを脅威と見たのか、魔物の数匹が本山に飛びかかるが、それら全てをマウンテンが切り裂く。
|(即席ならこんなもんか)
猛は心の中で呟くと、肩の力を抜いた。
戦闘はいつの間にか終わっていた。
猛は冷静に状況判断をし、的確な指示を出していた。
が、元々は荷物持ちで雇ったうだつの上がらない探偵だ。
それに指揮され、山本達のプライドは少なからず傷ついて入る。
しかし猛の指示が無ければもっと被害が出ていたのも事実。それがパーティーの不協和音を生み出し始めたのを猛には伝わっていた。




