探偵、罠を仕掛ける
「おい。なぜ後を付けてくる」
葉巻を咥えた人相の悪いスーツ姿の男が話しかける。
「てへー、やっぱりバレてた?」
クレアが悪びれもせず、姿を現す。それに続いて美月はバツが悪そうに出てきた。
「イヤイヤ、天下の三番隊の隊長さんが珍しく普通に外歩いてるから、気になって」
この人こそ大和命その人だった。
「これから仕事だ。邪魔をするなら帰れ」
「なら丁度いいじゃない! 三番隊の隊長さんが出張るってことは戦闘があるってことでしょ? 私たちも仲間にいれてよー」
「ち、ちょっと、クレアさん……!」
美月が止めに入るが、クレアは話を強引に進めていく。
「……。面白そうだな。連れて行ってやってもいいが、その代わり絶対に裏切るなよ?」
「もちろん!」
「わ、私もですか……」
巻き込まれた美月はガクリと項垂れながら2人の後を追った。
「?」
「篝さん、どうしましたか?」
「いや、人の気配がしたもので」
「同業他社という可能性は大きいですね。こういうダンジョンは先に多くの情報を集めて、最奥まで到達した方が勝ち、みたいな所がありますから」
山本が答える。
確かに気配は4人ほど。ダンジョンアタックには最適なメンバーだ。
「だとしたら最悪戦闘も?」
「いざこざはありますが、戦闘に発展することはまずないですよ」
確かに戦って怪我の心配もあるくらいなら、話し合いでなんとかした方がいいだろう。
しかし、この雰囲気、どかで……。
猛が思案していると、その気配は探索をほぼすることなく真っ直ぐに奥を目指していた。
「どうも探索重視ではなく、奥にある物に興味があるみたいですよ」
猛たちは奥に何があるかまでは分かっていないが、後から来る4人組はそうではないらしい。
明確な目的があってここにやってきている。
「それは困りますね……。なんとか足止めなど、できませんか?」
「軽くならできるので、やってみましょう」
相手はこのメンバーよりはるかに格上。気配でもそれだけは伝わってきた。
猛は地面に見えないような不思議な文字を書いていく。
「それは?」
「お呪いですよ。この模様のある場所を歩くたびに気分が悪くなるような、ね」
「ははぁ」
「こういうような簡単なゲリラ戦を仕掛けます」




