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人魔探偵  作者: 葛葉龍玄
異世界ダンジョン

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27/59

探偵、タダ働き

疾っ!!」

 1人の男が暗闇を走る。、炎の短剣を両手に持っている。

 目に見えぬ闇の住人を一匹、また一匹と切り裂いていく。

 あくまでも静かに、まるで機械のように淡々と。

『日本国退魔部隊土御門第三番隊』

 土御門土御門(つちみかど)と呼ばれる退魔組織の中でも最強と名高い三番隊。

 未だに人間を襲い、死に至らしめる魔物は少なくない。

 個人でも、時には組織として「人間狩り」を楽しむ魔物が数多くいるのだ。

 そういった魔物たちを相手にするのが「土御門」の役割だった。

 表向きは警察と変わらないが、特に三番隊は極秘裏に凶悪犯や組織を相手取る事が多い。

 一糸乱れることのなく統率され、個々の技量も人間の到達点に位置する。

 そしてその部隊の隊長こそが「人類の守護神」とまで呼ばれる、大和命大和命(やまとみこと)その人だった。



「ほら、坊主。大切な家族なんだから、ちゃんとリードに繋いで逃げないようにしとけ」

 そう言ってヘルハウンドの子犬をケンタウロスの子供に渡す。

「ごめんなさい……」

「バウッ!」

「うちの子供が迷惑をかけて……」

 母親まで出てきて謝られてしまった。

 完全なタダ働きだ。

「じゃあ、俺はこれで失礼しますよ」

 最後にポン、と子供の頭を撫でて、猛は歩き出した。

「さて、この後は空き地に突如現れたのはダンジョンの探索か」



 人間界と魔界が、時空を切り裂いて一つになった時に生じた軋轢で、1500年経った今でもこうして異世界の洞窟や架空だと思われていた異世界につながることがある。

 そんな時には国のや民間企業の調査機関が乗り出して来ることがある。

 中にどんな危険が待ち受けているかわからないからだ。

「どうも、篝さんですか?」

 人の良さそうな顔つきをしているが、実は手練であることはその所作ですぐに分かった。

 危険かも知れない場所に行くのだ。

 当然戦闘経験くらい無いと話にならない。

「俺は基本的には戦闘補助、でいいんですよね?」

 もう一度確認する。

「はい、万が一魔物や人に害する人が出た場合の戦いは我々に任せて下さい。その代わり、篝さんには臨機応変に動いてもらいたい」

「わかりました。では早速行きましょうか」

 どんな場所かもわからない。

 どんな生き物がいるかもわからない。

 もしかしたら天国のような場所かも知れなければ、魔界の深層のようなところかも知れない。

 何もかもが未知の場所に、猛達は足を踏み入れるのだった。

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