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人魔探偵  作者: 葛葉龍玄
不倫調査

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25/59

探偵助手、呪いのODDの噂を聞く

「呪いのODDODDオーバードライブディスク?」

「そう、なんでも男性が見ると呪われるらしいよ?」

 メタ的な発言をしてしまうと、ODDとは現代でいう所のDVDに当たる。

  なんとなく聞いていた美月だったが、男性だけ、という点でなにかが引っかかった。

「マジかよ」

「そんな話聞いたら、もうODDでアニメとか見らんねーじゃん」

「それって本当にあるの?」

 つい身を乗り出して聞いてしまう。

「ヤダ、高岡さん! ただの都市伝説でしょ? ウケるー」

「……だよね!」

 それから美月はユートピアに向かうことにした。

「あら、美月ちゃんだけか? 珍しいな」

「ちょっと聞きたいことがありまして……」

 美月は学園で聞いた呪いのODDの話を田所にする。

「噂では聞いたことがあるなぁ。本気にはしてなかったから、流していたが、なにか気になるのかい?」

「そのODDが、男性しか呪わない、という話を聞いて……」

「ははぁ、猛の調べてる男しか不倫しない事件に関係があるか、疑ってるわけか」

「はい、あれも怨霊が関わる事件だと聞いたので、気になってしまいました」

「とりあえず美月ちゃんの頼みだから、俺も情報収集はするけど、もし本当に霊関係だとしたら君には対処しようがない。すぐに猛に知らせること。いいね?」

「はい、わかりました」

 美月は独自で呪いのODDを探すことにした。


 4,5,6件目と不倫騒動を解決していったが、どれも女の負の感情が生み出した悪霊が男を襲う、というものだった。

 かといって組織的な犯行ではなく、特定の発信源による無差別の呪いとしか言いようがなかった。

「共通してること……」

 男性だけがターゲットであること。

 人や魔物ではなく、妖怪が正体であること。

 組織的な犯行ではないこと。

 事務所でメディアニュースに目を通してみると、同じような手口で病院に搬送されているケースが後を絶たない。

「俺が抱えてる案件は氷山の一角でしかないのか……」

 猛は1人水晶の前に佇むと、祝詞を口ずさむ。

「我願い請うは八百万の神々の力。今ここに囚われし悲しき霊を呼び戻し、我にその声を聞かせしめ給え」

 降霊術。

 今までに浄霊し、妖怪化を解き輪廻の輪に戻した霊を呼び出し話を聞くという、霊能力者だからこそできるアプローチの仕方だった。

「君たちはどこから来た?」

『私たちは生み出された。悲しい存在に』

「悲しい存在? それは人か?」

 しかしそれだと辻褄が合わない。猛が呼び出したように、誰か、もしくは組織的に呼び出されたならその痕跡が残るはず。

 それが無いということは自然発生だと考えられる。

『幸せな男女、妬ましい……。なぜ、私たちは……あんな時代に生まれたの……』

 時代の生まれ。

 そう言われれば、人間の霊だけではなかった。

 魔物の霊すら妖怪となって、人々を脅かす存在に変化していた。

 これはかなり稀なケースだ。

「というか、魔物の霊が妖怪化した所を見るのは初めてじゃないか?」

 基本的に魔物は人間より長命であることが多い。

 だから霊の母体数がそもそも少ないのだ。

「何かしらの呪いの発信源がある……」

 それも不特定多数の発信源が、無作為に。

 猛は頭の中を整理すると、またもユートピアに向かい腰をあげた。

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