探偵、不倫調査をする
的な愛らしい女の子だ。
「あぁ、しかも男が不倫してるケースがほとんどだ」
ここ一週間で5件もの依頼が舞い込んで来ている。
「まぁ、仕事が多いのは良いことですけど♪」
仕事量とバイト代が直結する美月としては嬉しい悲鳴だ。
「では、私は銀行強盗の遠距離射撃の仕事に行ってきますね」
「そういうカッコいい仕事は俺にやらせてくれよ……」
「だって、狙撃なら私の方が得意ですもの」
なにも言い返せず、猛は書類とにらめっこするのだった。
「うちの旦那が浮気をしてるみたいで……」
これで6件目。
さすがに1人で捌ききれなくなってきた猛は、一軒の喫茶店へ向かう。
「ユートピア」
それが猛行きつけの店の名前だった。
──カラン
ドアのベルが軽快に音を鳴らす。
「いらっしゃ……って猛かよ」
人懐こい笑顔を浮かべたかと思えば、猛の顔を見て思い切り仏頂面になる。
「まぁ、そういうなよ、オッサン」
「せめてマスターと呼んでくれ。んで、注文はチョコレートパフェでいいか?」
猛の大好物である。
ここ「ユートピア」は立地もよく学校帰りの学生たちに人気の店だ。
田所は退魔師として働いていたが、戦闘能力が高くなかったため、情報を仕入れる方を生業とすることにした。
カモフラージュのために始めた喫茶店だったが、そちらの方が繁盛してしまった次第だ。
「最近不倫関係の依頼が迷い込みまくってるんだ。正直俺の式神だけじゃ手が回らなくてね。オッサンの力を借りれたら心強い」
田所の情報収集能力は半端ではない。国家機密すら安易に手に入れることができるのだ。
不倫の情報ニュースなど、まさに朝飯前だ。
「たく。仕事にもなりゃしないもんばっか持ち込みやがって」
といいつ、自身の式神を渡してくれる。
「助かるよ」
退魔師としてはド三流な腕しか持たない猛の作る式神よりもはるかにできの良い式神を数枚受け取り、チョコレートパフェを食べ始める。
「うちのパパが不倫してるみたいで……」
「ぇ? マジ!?」
「ちょっと、声デカいって。そういえば、ルーシーのとこもそんな話ししてたよ……」
「というわけだ。その程度の情報はいくらでも入ってくる」
店に来る客から仕入れる情報もまた、大きな役割を果たしていた。
「俺の勝手な予測だが、以外と大きな事件かも知れないぞ」
情報を集め、客観的に事件を推理したのだろう。
こういう時の田所の勘はよく当たる。
「確かに不可解な点もあるんだ」




