探偵、集合地獄へ2
鬼がその巨体に似合わない素早い動きで猛達に襲いかかる。
猛はその拳を躱し、蹴りを放つ。
「鈍蹴鈍蹴!!」
強大な霊力が込められた踵落とし。
鬼の額を割り、その頭蓋を叩き割る。
一方のクレアは、鬼の攻撃をバトルアクスで力ずくで止めると、その腕をいとも簡単に切り落として見せた。
猛の背後から鬼が攻撃をしかけるが、美月の放った霊力弾が鬼の目を直撃。
一瞬の隙ができる。
その隙を逃す猛ではない。
「唸れ、雷! 苛烈雷疾苛烈雷疾!!」
天より降りおりた雷が、鬼たちを纏めて屠る。
「やるじゃない、猛」
はっきり言って戦力として当てにはしてなかったが、こと妖怪や鬼など、妖力で動く者たちには、猛の霊力は絶大な威力を誇った。
「退魔師としては戦力にならないけどな」
「なるほど。なかなかの手練のようだな。しかし、我等の邪魔はさせん」
そう言うと、声が止む。
「とりあえず、この階層に子供たがいるか探してみよう」
それから数度、鬼たちの襲撃があったが猛達の敵ではない。
しかし、出てくる鬼の強さはまるで猛達の戦力を測るように段階的に強くなっていった。
「いました、あそこです!」
2階層目と同じように美月が目ざとく子供たちを見つける。
「なんかおかしいわよ」
先程までと違い、子どもたちの足元に魔法陣が敷かれていた。
「一体何のための魔法陣だ?」
子どもたちを避難させた後、丹念に魔法陣を調べていく。
「この魔法陣は魔力を吸い上げるためのものだな」
子どもたちの魔力を手に入れて、なにをしようというのか。
「でも、なんで子供なんですか?」
「おそらく、汚れのない純粋な魔力がほしかったんだろう」
以前に生贄にされそうになった美月には他人事に思えなかった。
「また悪魔とか呼び出すためかしら?」
クレアが推測する。
「それはまだ分からないが、吸い取った魔力がどこかに運ばれた形跡がないんだ」
もし強大な鬼や悪魔を召喚したいなら、もっと魔力の多い者たちを選ぶはずだし、それを復活させる儀式の間に集中させるのが当然だろう。
しかしその形跡がないのだ。
「だとしたら、なおさらなんでこんな魔法陣を……」
「分からないものは仕方がない。今は子供たちを助けるのを優先しよう」
残る子供たちはあと5人。
3人はさらなる深淵へと向かっていった。




