探偵、黒縄地獄へ2
神仏が子どもたちを地獄に引きずり込む。そんな事があって良いのだろうか。
「そんな! しかもなんのために!?」
「その話には続きがあってな。助けようとした罪人は、他の者が登ってくるのを見て、蜘蛛の糸が切れると思い、他の罪人を蹴散らした。それを見たお釈迦様は蜘蛛の糸を断ち切ってしまうんだ」
2人が口をつぐむ。
「他の宗教の神だって大量に人を殺しているんだ。
今回の仏が人や魔物の子供を誘拐して地獄に落とす、なんてことも考えられなくはない」
「で、でも一体何のために……!」
理由がわからない。暗に美月はそう言った。
「それを解決しなきゃ、子供の誘拐事件は無くならないだろうな」
単なる誘拐事件ではなくなった。
敵は仏。かも知れないのだ。
「そんなのに、勝てるの?」
前回、魔神の復活を目論む組織と戦った事のあるクレアは、その強さを身に沁みて感じている。
そして、魔神復活の生贄にされた美月は絶大な恐怖を味わっている。
怖くても、意図がわからなくても前に進むしかない。
それが今猛達にできる最大限の事柄だった。
「次の地獄に行こう。ここから先は油断できなくなるぞ」
深層に行けば行くほど、鬼や獄卒も強くなる。
拐われた子供たちは全部で15人。
ここまでの地獄で5人助けることができた。
残りの10人はどれほど深い地獄に落とされたのだろうか。
3人は急ぎつつも油断せず、次の地獄へ向かった。




