探偵、助けに行く
「地獄は8層からなる」
等活地獄。
黒縄地獄。
集合地獄。
叫喚地獄。
大叫喚地獄。
焦熱地獄。
大焦熱地獄。
無間地獄。
「このどこに子供たちが連れ去られたか、そこまで検討は付いてない」
もしかしたらもっとも深い無間地獄に落とされた可能性も、ある。その場合、このメンバーでも踏破できる可能性は極めて低い。
「でもなんで魔界の子供たちをさらったのかしら?」
「……。それは俺にもわからない」
ただと言う「検討はついてる。憶測の域は出てないから。まだ答えるのはやめておこう」
しばらく歩くと、河原の様子が一変する。
先程まで美しい花が咲き乱れる、場所だったが一転して地面が剥き出しの淋しげな場所にでる。
「ここは?」
よく見ると、子供たちが一生懸命石を積み上げていた。
(積み上げ母のため。ふたつ積み上げ父のため……)
「ここでは、親より先に死んだ子供たちの地獄だ」
石を高く積み上げれば、成仏し、また輪廻の輪に戻れると信じられている。
しかし、その願いが叶うことはない。
完成間近に鬼が来てその努力を無駄にするように、子供たちが積み上げた石を崩してしまうからだ。
「酷い……」
美月が涙目になりながら、大きな1つ目でその光景を見つめ続けていた。
その子供たちはすでに死んでいて、中には魔物の姿も多数あった。
クレアの頭の中には、連れ去られた子供たちの情報がインプットされているが、死んだ子供達とは一致しない。
そのとき、石を蹴散らし子供の努力を無駄にする、賽の河原の鬼が現れた。
「ただの知性のない化物だよ。コイツを倒せば、子供たちは救われて輪廻の輪に戻れる」
猛が言い終わるかいなかの刹那、クレアの戦斧が鬼を叩き切っていた。
「許せない……っ」
怒りに肩を震わせながら、クレアが呟く。
「地獄とはそういう所だ。慣れておかないと身体も心も持たないぞ」
この男は常に平然としている。感情というものを表に出したことがないのではないかと思う程だ。
「猛さん、この先どんな地獄が待ってるんですか?」
「罪人が裁かれる場所さ」
しかし、誘拐された子供たちはどんな罪を犯したというのだろう。
「正しく罪なんて犯してない。だからこそ一刻も早く助けなきゃいけないのよ」
皆が同意見だった。




